⑩TMS研メルマガ一覧表

メルマガ第13号

御社は大企業の開発したシステム(メソッド)を「盲信」していませんか?

 ビジネスの世界には、『トヨタ生産方式』や『アメーバ経営』をはじめとする数多くのビジネスシステムが存在します。そのほとんど全てが大企業で花開いた手法です。俗に「人なし、金なし」と言われる中小企業には、それらに相当する独自のシステム(メソッド)はないのでしょうか?

 「そんなことはない」と過去の経験から私は断言します。それではなぜ、それらのシステムは世に知られていないのでしょうか?その理由は、何か特別に有名な会社の場合を除き、中小企業の独自システム(メソッド)は出版社やセミナー会社から「商品として魅力がない」と思われているからです。もっと簡単に言うと「本が売れない」「セミナーに人が来ない」ということです。

 また「消費者」である我々の購買傾向も、大企業が開発したシステム(メソッド)はありがたがる反面、中小企業のメソッドシステム(メソッド)には見向きもしない面があるのではないでしょうか?そのような理由から、営利企業である出版社やセミナー会社が大企業が開発したシステム(メソッド)の紹介に偏るのはやむを得ないのですが、それらを中小企業が学んで自社に導入することが正しいか否かは、全く別の問題です(ここがとても重要です)。今回のメルマガではこの点についてお話ししたいと思います。

 中小企業庁の統計によると、中小企業(製造業の場合、資本金3億円以下または従業員数300人以下)は、我が国421万社のうち99.7%を占めます。大企業はわずか1.2万社(0.3%)です。中小企業は大企業への「憧れ」もしくは「コンプレックス」でもあるのでしょうか、大企業の「マネ」をしたがる傾向が見受けられます。「あの有名な○○社のメソッドさえ導入できれば、我が社もきっと業績が向上するはずだ!!」という盲信があるのでしょうね。

 また親会社は、自社のシステムやメソッドを子会社に「指導」と称して押し付けます。大企業出身のコンサルタントもクライアント側がそれを望むため、大企業流のやり方を指導しがちです。しかし、大企業のメソッドは本当に中小企業においても有効と言えるのでしょうか?

 かの有名なトヨタ生産方式(TPS)は、自動車メーカーという組立産業の頂点に位置する会社で生まれました。導入当初はトヨタ自動車の社内でも「大野ライン」と呼ばれ冷ややかな視線で見られていました。そんな状態からスタートし、何十年にも亘る苦労の果てに同社の「文化」とまで賞されるレベルにまで磨き上げられました。いわば産業界の「ライオン」ともいうべき同社のメソッドが、組立産業以外の中小企業でその真価を発揮するとあなたは本当に思われますか?

 TPS導入の失敗事例は実は結構あり、もっとも有名なのは郵政公社(民営化された旧郵政省)のものでしょう。また世間では全く知られていませんが、私の前職の親会社(一部上場、グループ12,000人)も装置産業(電線メーカー)でありながらTPSを導入して失敗しました。親しくなった指導員の方が「どう考えてもこの会社には合わないんだけどなぁ」と困っていたことを覚えています。同社はその数年後吸収合併によりその社名を失いました。

 今ご紹介した3つの事例から我々が学ぶことは、業種・業態・会社規模・社風にあったシステム(仕事のやり方)を自力で構築しなければ成功することはできない、ということではないでしょうか?「人・物・金」が潤沢な大企業ですら失敗するのですから、中小企業でTPSを導入した場合、もっと悲惨な話がきっとたくさんあることでしょう。

 私は大企業のシステムを導入した中小企業を何社か知ってますが、私の目には、失礼ながらお父さんの背広を着て喜んでいる子供のように見えてなりません。それらの会社がその後どうなったかというと、①導入後しばらくしてシステムを放棄(放置)した(80%)②会社がおかしくなった(20%)でした。これらの事例から「身の丈に合わないシステムは百害あって一利あり」のビジネス格言が生まれました(ちなみに「一利」とは「経営者の自己満足」です)。

 「じゃあ我々中小企業はどうしたらいいんだ!!」という声が、あちらこちらから聞こえてきますね。「中小企業には中小企業の身の丈に合ったシステムが必要。それをご自身で考えてください。」が私の回答です。

 「ふ、ふざけるなー!!それができたらおれの会社はとっくに大きくなってるわい!!」では、中小企業出身のコンサルタントのセミナーや本からヒントを得られてはいかがでしょう?「どっ、どこにいるんだ、その先生は?」探せばごく少数ですがいらっしゃいますよ、ちなみに私もその一人なんですが…「えっ、あ、あんたか?大丈夫なのか?」なにやら我田引水のようですみませんでした(苦笑)。中小企業出身の珍しいコンサルタント(私のことです)の特徴にご興味のある方は、下記URLからアクセスしてください。

→ http://www.tmsri.com/profile.html

 前職で業務改善・改革の社内コンサル(事務局)をしていたときには、会社規模(従業員数700人)にあったメソッドやシステムがなかなか見つからず、私自身も随分苦労しました。しかし、その苦労の甲斐あって会社の社風や従業員のレベルに合うメソッドやシステムの数々を考案・導入し成果を上げることが出来ました!!改善活動を自社のレベルに合せることに私がどれくらい執着したかと言うと、親会社が県の幹事会社を務めるQCサークル活動を止めてしまったほどです(親会社は3交代勤務でしたが、私のいた会社は2交代勤務で24時間回しており、勤務後の作業者はクタクタでサークルなどやる余力はなかったのがその理由です)。本件では親会社から随分と圧力を掛けられましたが、頑として譲りませんでした。「家と出世を諦めたサラリーマンほど性質(たち)の悪いものはない」いうのはビートたけしさんの名言ですが、今振り返ってみると本当ですね(笑)。

 私のセミナーには全国津々浦々から①経営者~担当者②様々な業種・業態③様々な会社規模(50人~30,000人)の方が来てくださいます(先日は台湾からも2名お越しいただきました)。受講者アンケートを見ると、私の開発した中小企業向けシステムは大企業の方々にも「これは使える」と評価していただいているようです。大企業と言えど、部・課くらいの単位では中小企業と同じ悩みを持っているのかもしれません。私の開発したシステム(メソッド)のにご興味のある方は、下記URLをご覧ください。

→ http://www.tmsri.com/doc/6_1.pdf

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