⑩TMS研メルマガ一覧表

メルマガ第53号

御社はどのような組織マネジメントシステムをお持ちですか?

 日本に「システム」という言葉が定着したのは、いつ頃でしょうか? 今日社内には給与計算システム、原価管理システム、設計システム、生産管理システム、品質管理システム(QMS)、環境管理システム(EMS)、業務管理システム(ERP)とまさしくシステムが氾濫しています。

 仕事帰りに気分転換に立ち寄った綺麗なお姉さんのいるお店でも、入店早々ボーイさんに「当店のシステムについてご説明いたします」などと言われる始末です(笑)。「システム」という言葉は本当に身近になったんだなぁ、と感じます。しかし「システム」という言葉の意味を本当に理解している人は、意外と少ないのではないでしょうか?

 私はセミナーでよくISO9001(品質マネジメントシステム)の話をしますが、皆さん結構感心して聞いてくれます(一生懸命メモを取られる方が多いです)。参考までにその資料の一部を添付しますのでご覧ください(添付『①ISO9001のシステム概要』)。

 「システム」についてISO9001風に説明すると、「インプット」を「アウトプット」に変換するための仕組み各「プロセス」の集合体、となりますがちょっと「敷居が高い」感じがしますね。そこで私はいつもカレーライスの例でお話ししています。

 「インプット」とはカレーライス作りに必要なものすべて(食材、調理器具、調理スキル等)、「アウトプット」はカレーライス、「システム」はレシピとなります。各「プロセス」はジャガイモ・人参の皮むきに始まり、肉の下ごしらえ、肉・野菜を炒める、水を入れ煮込む、ルーを投入する、と続きます。どうです、これなら誰でも理解できるのではないでしょうか?

 さてここで話は急に大きくなりますが、我が国日本にも本当に多種多様なシステムがあります。戦後焼け野原から立ち上がり、半世紀にわたりアメリカに次ぐ世界第2位(現3位)の経済大国を支えた優れたシステムもあれば、「お荷物」のような駄目システムもあります。そんな駄目システムの一つ「大学教育システム」です(『THE世界大学ランキング2018』参照)。
→ https://japanuniversityrankings.jp/topics/00008/

 ちなみに私が高校生だった35年前、日本の高校3年生の学力レベルは世界でダントツの1位でした。しかし大学4年生の学力レベルは先進国中最下位でした。大学の4年間で、日本の学生に一体何が起きたのでしょうか? その原因究明はさておき、この事実を見る限り日本の大学教育システムとは「4年という歳月と多額の費用を使って、優等生を劣等生に変換するシステム」と言えます(例によって辛口で済みません)。

 私がセミナーで良くお話しする『日本の製造業の七不思議』の一つ、「現場(直接業務)の生産性は世界最高レベルなのに、事務所(間接業務)は先進国中最下位」の根本原因は実は大学教育にある、と私は見ています。

 欧米で記憶術速読法の研究が盛んで広く普及している理由は、大学で膨大な資料を次回の授業までに消化しなければならないので、学習の生産性を向上させる必要があるためです(日本の大学にこのニーズがないのが悲しいです)。そんな大学教育を受けた欧米の学卒者が、会社に入って『業務管理システム』を構築・運用し、間接業務の生産性を向上させるのはごく自然な成り行きです。

 米スタンフォード大学フーバー研究所の西俊夫教授によると、日本のノーベル章受賞者は2名(佐藤栄作(平和賞)、川端康成(文学賞))を除いて全員が欧米の大学で教育を受けた人だそうです。欧米で教育を受ければノーベル賞を取れる人が多数いることで、我々日本人の頭が欧米人と比べ決して劣っていないことは証明されます。ただ日本の『大学教育システム』が欧米と比べ劣っているだけなのです。

 ここで振り返って、皆さんがお勤めの会社に存在する各システムの①インプットアウトプット変換に必要な経営資源、の3点を元に、システムの『変換効率』について考えてみてください。

 御社はどのような組織マネジメントシステムをお持ちですか?

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