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メルマガ第75号

御社は『働き方改革』の大波を超えられますか?

  厚生労働省のホームページの『ブラック企業リスト』を見ると、上の方に㈱電通の名を見つけることが出来ます。長年広告業界のガリバーとして君臨し、国策にも関与している同社が、なぜこのリストに掲載されているかをご存知の方も多いでしょう。「高橋まつりさん」というまだ24歳の才色兼備の御嬢さんが過労により自殺したことにより、『働き方改革』は事実上スタートしました。

  いわば『働き方改革』のジャンヌ・ダルクとなった高橋さんですが、記者会見に応じた彼女の母親の目は本当に怒っていました。母子家庭で、女の細腕一つで育て上げた自慢の娘を奪われたお母さんのお気持ちは想像を絶します。「お気の毒」などと言う言葉では、軽すぎます。

  バブル経済崩壊後に団塊ジュニア世代が結婚適齢期を迎え、未婚者の増加により少子化社会となった今日、日本人の命の価値はようやく見直されることとなりました。それが現政権が鋭意推進中の『働き方改革』です(実は裏の狙いもあるのですが、それにつきましてはまた後日お話しします)。

  経営者や総務・人事・管理部門の方はご存じかと思いますが、実に70年ぶりの大幅な法改正となる『働き方改革』関連法の要求水準は非常に高く、これにまともに取り組んだらほとんどの会社はつぶれるor大幅な減益となるのではないかと思われます。同法の要点は次の3点です。

  1. 時間外労働時間の罰則付き上限規制
  2. 同一労働同一賃金の徹底
  3. 多様な働き方の実現

 どうです、上記①②を経営者サイドから見ると正しく「お先真っ暗」という感じです。「政府から「死ね」と言われているような気がする」と語った社長さんもいるくらいのハードルの高さです。本当にこの法令を遵守して、利益など計上できるのでしょうか?

  さてここで話は変わりますが、皆さんは『日本でいちばん大切にしたい会社(坂本光司著、あさ出版刊)』シリーズをお読みになったことはありますか? ここで紹介されて会社は、従業員を大切にすることによって利益を伸ばした会社ばかりです。同シリーズで紹介されている会社は数十人~100人規模の小さな会社が主ですが、同シリーズの第1巻に、千人規模の大会社が1社だけ紹介されています。それが未来工業㈱です。

  地域最高額の時給を支払い(平均年収600万円以上)、全員が正社員、残業・休日出勤禁止という同社の財務諸表の数字はさぞ悪いのだろうと思われるかもしれませんが、リーマンショックの年を除き創業以来増収増益という超エクセレントカンパニーです。皆さん、信じられますか? ちなみに同社の主力製品は『スライドボックス』という実に地味な製品(電設部材)です。

  しかも同社のすごいところは、政府に『働き方改革』によって強要されるはるか昔から、自主的に『働き方改革』で要求される水準を超えるレベルの労働環境を整備していた、という点です。私の知る限り、千人規模の大会社で『働き方改革』に全く対応する必要がない唯一の会社です。

 創業者の故山田昭男氏は「『働き方改革』とやらで同業他社がガタガタになって、また未来工業が儲かるぞ。まったく俺はなんてついている男なんだろう(笑)。雅裕(ご子息・現社長)、このチャンスにしっかり稼げよ!!」と、あの世で高笑いしていることでしょう。

  御社は『働き方改革』の大波を乗り越えられますか?

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