⑩TMS研メルマガ一覧表

メルマガ第55号

御社の組織マネジメントは「科学的」ですか?

  先日読んだ本(ハーバードビジネススクールで10年教えている日本人の著書)によると、現在同スクールの教授陣で『マネジメントの父』P・F・ドラッカーの著作をテキストとして採用している人はおろか、そもそも読んだという人に会ったことがないそうです。その理由は「科学的でないから」だそうです(「あれは「ファンタジー(空想小説)」だろう?」という人もいたとか…)。意外に感じる方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?

 以前「ひょっとしてP・F・ドラッカーなら、業務管理システムをすでに思いついているかも?」と思い、全著作に目を通しました。しかし結果は「No」でした。5年前に㈱システム科学の石橋社長とお会いしたとき、同氏は自社開発した業務管理システムを引っ提げて渡米、P・F・ドラッカーに面会し「私の考えを具現化したシステムである」とのお墨付きをもらったというお話を伺いました。P・F・ドラッカーの位置づけは「実務家」ではなく「思想家」なのでしょう。

 さて、間接業務の生産性向上システムである『業務管理システム(ERP)』は、各業務毎の所要時間を「見える化」し、組織マネジメントを数値データをもとに行う点が特長です。私のAIOSも、富士通、NECネクサス、システム科学のシステムも同様です(違いは時間の単位のみ)。こうなると最後発のベンチャーである我がトータルマネジメントシステム研究所としては、何か他社との差別化が必要ですね。そこで「所要時間」を「所要金額(人件費)」に変換してみました

 前職で改善提案活動事務局をしていた時、改善実施者の達成感向上ならびに改善効果評価方法の客観化手段として、私は改善効果(工数削減)の金額換算を実行した経験があります。その際、経理部(原価課)の使用していたデータ『工数原価』を転用しました。やり方は簡単です。定時8時間で工数原価が24,000円の会社なら、1時間3,000円、10分間500円、1分間50円を業務改善によって削減された時間に掛けるだけです。

 その手法を間接業務の年間生産計画であるAIOS標準バージョンに転用してみました。各個別業務毎に年間標準工数に担当者毎の工数原価を掛けてみたところ、各業務毎の単価が分かりました!!

 「な~んだ、所要時間を金額換算しただけじゃね~か、けっ」と思ったそこのあなた!! 騙されたと思って1度作成してみてください。『AIOS業務毎単価バージョン』を作成すると、管理職・スタッフ共に「考え方」と「行動」が変わります!!

 管理職(課長)は「部下に仕事を発注する」という考え方になります。その結果、業務単価を下げる行動を起こします。具体的には①その業務を遂行できる部下の内で、一番工数単価の低い人に仕事を振るようになる ②その業務を遂行できる部下に業務マニュアルを作成させ、より工数単価の低い人に仕事を委譲させる、等です。

 スタッフは「業務のアウトプット(文書)を、発注者の上司に買っていただく」という考え方になります。その結果、アウトプットと業務単価を常に意識するようになります。具体的に言うと「A課長はこの文書に30万円払ってくれるだろうか?」ということを考えるようになります。

 そうなると次は行動が変わります。「どう考えてもこの文書は15万円がいいところだなぁ」と判断すれば自主的に業務改革・改善に取り組み、生産性の向上を図るようになります

 私の感覚では、AIOS標準ver.(所要時間)と比べて業務毎単価ver.(所要金額)見る者にとってより「きつい」印象があります。「時間」だと何だか他人事のような感じですが、「金額」だと自分の財布から部下がどんどんお金を持っていくような恐怖感があり、より生々しい感じがします。

 私の「見える化」セミナーで前述のAIOS業務毎単価ver.を配布するようになったのは2017年5月12日(日刊工業新聞・東京本社殿)以降です。同社の敏腕担当者N氏には「いままで財務諸表(B/S、P/L等)との関係がはっきりしなかった組織マネジメントが、AIOS業務毎単価ver.によって初めて直結しましたね。これこそ経営者や経理部長が納得する科学的な組織マネジメントシステムと言えます!!」と激賞していただきました(同セミナーはおかげさまで32名にご受講いただきました)。

 以降の「見える化」セミナーでもAIOS業務毎単価ver.は、主に経営者や経営(管理)部門の方から「目からウロコが落ちた」「今までなぜこの手法に気づかなかったのか不思議」「初心に帰れた」等のご意見・ご感想をいただいています(受講者アンケート結果より)。

 これまで私は41回セミナーをやりましたが、実は1回だけ流れたことがあります(申込者1名のため)。それは大阪開催のものでした。大阪はセミナー業界では『マネジメントセミナーの墓場』と言われており、受講者からこんなことを言われるそうです(某セミナー講師談)。「いや~先生、今日はほんまにええ話を聞かせてもろて、えらい参考になりましたわ。ところで先生、それやっていくら儲かりまっか?

 「角川さんね、私は思わず絶句してしまってたんですよ」「まあ悪いこと言わないから、大阪だけはやめといた方がいいですよ…」

 ご心配無用です、先生(笑)。今の私にはAIOS業務毎単価ver.という強い味方があります!! これを片手にこう切り返します。
 「あなたねぇ、このツールがあって儲けれらんなら、経営者(管理職)なんていっそ辞めたらええんちゃいますの?」 
受講者 「うひょ~、えらいきつい先生のセミナーに来てもうたわ、わし(涙)」

 御社の組織マネジメントは「科学的」ですか?

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