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メルマガ第132号

御社の事務所に『POSシステム』は導入済みですか?

 創業当時からコンビニ業界のトップを争い続けたセブンイレブン( 以下セブン )とファミリーマート( 同ファミマ )ですが、ある物の導入時期の早い遅いによって、その後の業績に大きな差がつきました。「ある物」とはPOSシステムです。セブンが1982年に他社に先駆けPOSシステムを導入したのに対し、ファミマは高額な導入費用に見合う導入効果があるのかに疑問を持ち、導入を見送りました。

【注】POSシステム( 販売時点情報管理 )とは、小売業において商品の販売・支払いが行われるその場( 販売時点 )で、その商品に関する情報( 商品名、価格、売れた時間など )を単品単位で収集・記録し、商品売り上げ情報を把握し、それに基づいて売り上げや在庫を管理するためのシステム、または経営手法である。英語の「Point ofsale」の頭文字をとって「POS」と呼ばれる。( wikipediaより)

 この決断がその後の両社の運命を大きく左右しました。POSシステム導入という「投資」に対する「回収」( 費用対効果 )の算出がセブンは正しかったのに対し、ファミマは低かったのです。

ファミマが見誤った『POSシステムの導入効果』は下記の通りです。

① 現場の情報( 何がいつどこ( 地方・県・店舗 )でいくつ売れている、何が売れていない等)のデータがリアルタイムで把握できる
② 上記①の情報を、全バイヤー・商品開発者・スーパーバイザーが即時共有化できる
③ その結果、○○が売れている場合は商機を逃すことなく、売上を最大化できる
④ 反対に△△が売れていない場合は、問題に素早く対処( 発注停止、発注数を減らす、販促方法の見直し、商品の改良等 )でき、損害を最小化できる
⑤ 上記①~④により、経営環境の変化にいち早く気づくことができ、それに対応することができる体制を構築できる。

 この導入効果を正しく見積もったセブンと、過小評価してしまったファミマとでは、その後の会社業績に大きな差が生じました。数値データによりお客様( マーケット )が欲しいものを欲しいだけ提供できるセブンと、アルバイトが推測で発注しているファミマとでは、勝負の行方は初めから決しています。太平洋戦争時に夜間の海戦でレーダー射撃してくる米海軍に対し、目測射撃で対抗する日本海軍のようなものです。勝てるわけありません。

 1987年のセブン全店の平均売上は日額40万円、対するファミマは32万円でした。
その後、親会社の西武百貨店グループの経営不振により売却されたファミマに対し、セブンの勢いは止まらず『流通業界の覇者』となったことは皆様ご存じの通りです。この事例を見ると、経営判断を誤ることの恐ろしさが分かります。

 さて、ここで目線を皆さんのお勤めの会社に向けてみましょう。コンビニのPOSシステムに相当する組織マネジメントシステム(OMS)は、御社ではすでに導入されているでしょうか?

 OMSは間接業務一つひとつについて労働生産性や業務品質、業務推進状況がリアルタイムで把握・共有化出来る『事務所のPOSシステム』です。その有無によって、事務所(間接業務)の生産性は大きく変わります

 1988年に時価総額ランキングで世界のトップ50に28社もランクインしていた日本が、2018年ではわずか1社( 35位トヨタ )と「失われた30年」ですっかり凋落してしまった原因の一つは利益率の低さです。米国企業の平均利益率22.6%、欧州15.0%に対し、日本はわずか5.3%( 『伊藤レポート(2012)』 )です。その理由の一つがOMSの有無です。

 OMSの存在がデファクトスタンダードである欧米企業では、営業利益(本業による利益)と管理利益(注)の二本立てなのに対し、OMS未導入が大半の日本企業では営業利益一本槍です。これでは利益率に大差が生じるわけです。

(注) 管理利益とは、労働生産性を阻害する要因を取り除くことによって発生する利益の    こと。具体的には、生産性向上( 業務のムダ取り、業務改革・改善 )による時間外労働の極小化に伴い軽減された人件費を指す。

 前述のファミマはセブンの躍進を見て経営判断の間違いを認め、遅ればせながらPOSシステムを導入し苦境を脱しました。そして今日、熾烈な争いが続くコンビニ業界において、覇者セブンを脅かす存在となっています。POSシステム導入ではじめて可能となる 「数値データによる現状把握のリアルタイム化」 および 「情報の即時共有化」 には、導入費用の何百倍もの価値があることがお分かりいただけましたでしょうか?

 御社の事務所に『POSシステム』は導入済みですか?

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