⑩TMS研メルマガ一覧表

メルマガ第88号

御社の「働き方改革」対策は間違っていませんか?(その3)

 年末年始の引きこもり生活の後、そろそろ社会復帰しようとパソコンを立ち上げると、ネットニュースで『9割の企業が失敗「働き方改革」の実態』という衝撃的な記事が目に留まりました。執筆者は㈱クロスリバー 社長の越川慎司さんで、国内大手通信会社、外資系通信会社、ITベンチャー起業を経て米マイクロソフト入社。その後日本マイクロソフトでOfficeビジネスの責任者を務めた後、㈱クロスリバー創業と絵に描いたような立派な経歴の持ち主です。詳細 → http://cross-river.co.jp/profile/

 草の根からの叩き上げコンサルタントである私とは正しく「天と地」の開きがあります。その経歴から「きっと欧米流マネジメントに洗脳された人なんだろなぁ…」とひがみとやっかみ半分で同記事を読み始めました。

 ところが読み進めるうちに、同氏が私とほぼ同じ考えであることが分かり、大変驚きました!! ひょっとして私が書いたのでは? と一瞬思ったほどです(笑)。読者の皆さんは過去に私のセミナーを受講し、メルマガで私の考え方や主義・主張をご存じかと思いますので、ある程度ご同意いただけるかと思います。以下、越川氏の記事に対するコメントや意見を列記します(青字は引用箇所)。

88%の企業は「働き方改革」に成功していない(P1)

 ある程度予期はしていましたが「やっぱりなぁ…」という思いです。それくらい「働き方改革」関連法の要求水準は企業側にとって高いハードルなのでしょう。よほど利益率の高い会社を除き、組織マネジメントシステムの自社構築という根本対策なしにこのハードルを越えることは困難です。と考えると88%という高い失敗率の原因の一端は、私の無力さ(無名さ)にあるのかもしれません。以後、より一層精進します。

AIは神様でもマジックでもなく、RPAも多くの企業で成果が出ていない(P1)

 AI化,IoT化には莫大な経営資源(金・マンパワー)を要するため、「これさえ導入すれば我が社だって…」等、すがりたくなるのでしょう。しかしAIは人間の代わりなので、当然「引き継ぎ」が必要となります。「他の人に引き継ぐことができない仕事はAIにも引き継ぐことはできない」とは、「人に仕事が付いている」会社ではAI化は無理という意味です。御社は業務マニュアルが整備されていますか? またそのマニュアルは本当に使えるものですか?

業務変革支援で最も効果があったのは「やめる業務を決めること」(P1)

 トヨタ生産方式(TPS)の有名な『ムダ取り』が、間接業務(事務所)ではほぼ無力だったため、現在『ムダ取り』は見捨てられている感があります。その原因は『ムダの定義』が現場ほど明確に示せなかったためです。そこでTMS研流の『ムダ取り』では『ムダ』を探しません。業務目的体系表(PPT)を作成し本来やるべき業務を「見える化」し、それ以外の業務を廃止します。やり方さえ間違えなければ、『ムダ取り』は最も有効な生産性向上手段です。

失敗している企業はAI導入が目的化している(P1)

 目的と目的達成手段のはき違いは、日本企業の間接業務ではよく目にします。それを防ぐには、業務目的体系表(PPT)作成が非常に有効です。あなたが日常従事して
る業務が、目的達成のための一手段に過ぎないことに気付いた時から、業務改革・改善がスタートします。

ITが働き方を変えるのではない。働き方を変えるときにITが役に立つ(P2)

 同上。しびれるような名言ですので、額縁等に入れて事務所内に掲示することをお勧めします。

How(解決策)を講じる前にWhy(発生原因)を追究してください。働き方改革はこのWhyを考えることが重要(P2)

 肚を決めてWhy(発生原因)についてじっくり考えられる企業が『働き方改革勝ち組』になることでしょう。これだけネットワークが発達した今日、通勤で気力・体力・通勤費を消耗し毎日会社に出勤する意味について、この機会に一度じっくり考えてみてはいかがでしょう?

定まらぬ成功の定義(P3)

 受験勉強はa.志望校 b.現状の学力 c.不足点数(a-b)の3点を明確化することから始まります。Cの不足点数を0(もしくは-)にする作業こそ、受験勉強に他ならないからです。受験勉強により不足点数が減少していくプロセスは、模擬試験等で数値データで確認でき、これが辛い受験勉強を継続する唯一のモチベーションとなります。『働き方改革』対策プロジェクトも全く同じです。数値管理の重要性を理解していない人は、ビジネスマンとは言えません。

状況を一気に好転させるツール(魔法、神様)は存在しません(P3)

 越川先生と私で意見が合わなかったのは、ここだけです。当メルマガ読者の皆さんならご存知でしょう。そう、『組織マネジメントシステム(0MS)』がその魔法のツールです。業務生産性が300%向上するのですから『魔法』『神様』の名に恥じないはずです。IT企業の雄 マイクロソフト社ご出身の越川先生がOMSを知らない訳ありません。推測するにOMSがあるのはいまどき当たり前とのご認識で、あえて言及されなかったのでしょう。

経営陣からのトップダウン(活動)と、現場からの自発的なボトムアップ(活動)を組み合わせることが必要(P4)

 トップダウン活動成功の秘訣としてボトムアップ活動の並走を推奨しているコンサル先生を私以外に初めて見ました。ボツアナ共和国(アフリカ)の片田舎で日本人に出会ったくらい嬉しいです(笑)。越川先生が欧米流マネジメントに洗脳されたお方でないことが、このことで分かりました。

 有史以来奴隷制度がない唯一の先進国であり、弱肉強食がグローバル展開されたあの帝国主義時代に植民地化を免れた日本は、歴史的にも文化的(世界七大文明中、唯一の孤立文明)にも特異な存在で、欧米流マネジメントが機能しづらい国です。

 トップダウン活動で『働き方改革』対策プロジェクト等の大プロジェクトを敢行する際、経営資源をそこに集中投下するのが欧米流経営学の常道ですが、日本では上手くいきません。奴隷制度や植民地経験がないため、他国に比べ日本人は『やらされ感』に極端に弱いからです。

 日本でプロジェクトを成功させたければ『やらされ感』を排除することが必要条件となります。その手段こそボトムアップ活動なのです。私のコンサル実績が今のところ成功率100%なのはここを押さえており、なおかつ無記名式従業員アンケート調査で「見える化」した従業員の悩みの解決プロジェクトとして推進するからに他なりません。

  御社の「働き方改革」対策は間違っていませんか?

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