⑩TMS研メルマガ一覧表

メルマガ第94号

御社が今やるべきことは何ですか?

 人類の歴史は病気との戦いでもありました。14世紀にヨーロッパを襲ったペストの大流行により、その人口は三分の一に激減しました。その際全く無力だったカトリック教会は民衆の信頼を失い、16世紀の宗教改革の遠因となりました。

 また今回の騒動でよく引き合いに出される1918~20年のスペイン風邪の大流行では全世界で5億人(当時の人口の四分の一)が感染し、数千万人が命を落としました。第二波・第三波と続いたウィルスの波状攻撃により、世界経済は3年間にわたり停滞しました。

 今回のコロナウィルスも特効薬であるワクチンの開発には最短でも1~2年かかり、感染が終焉するには人類の体内に抗体が作られる(集団免疫)のを待つしかありません。それまではマスク着用・手洗い励行・三密防止等の対策しかないのが現状です。

 また今回各国と比較し日本の死者が少なかった理由について、①国民の民度②生活習慣③衛生状態等々諸説ありましたが、実際は欧米と日本ではウィルスの型が違ったことが最大の原因のようです。たまたま致死率の弱いウィルスが日本に上陸しただけで、そのことがかえって「あだ」となり第二波では日本で大量の死者が出るという予測もあります。

 ここまではウィルス感染の話だけでしたが、本当に恐ろしいのは「アフターコロナ」であることは、読者の皆さんもうすうすお気づきのことでしょう。ある経済評論家が「コロナウィルスで死ぬ人の何倍もの人が、アフターコロナの経済打撃によって死ぬだろう」と言っておりましたが、私もまったく同感です。会社倒産や解雇により、失業率・生活保護受給率も上がり、財政を圧迫します。また貧困と社会不安から犯罪発生率も激増することでしょう。すでにその兆候を、そこかしこで目にします。 

 日本は1945年の敗戦から75年もの長きにわたり戦争していないため、「平和ボケ」状態にあります。そのため「経済とは弾の飛び交わない戦争であり、会社とは経済戦争を勝ち抜くために組織された軍隊に他ならない」などと言おうものなら、「軍国主義者」「極右勢力」等々のバッシングを覚悟しなければなりません。しかし、今なら誰も異論を唱えないことでしょう。先日「レナウン」という巨艦が波間にその姿を消しました。残念ではありますが、これから続々「えっ!!」と驚くような大会社の倒産が世間を騒がすことでしょう。

 ところで最近、今回の騒動と1929年の大恐慌を関連させた記事をネットや雑誌でよく目にします。米ウォール街での株の暴落に端を発する世界大恐慌に対し、各国がどのように対応し成果があったか否かですが、意外なことに日本とドイツは成功し、アメリカ(ニューディール政策)は失敗したそうです。その失敗が第二次世界大戦の原因の一つとなりました。大恐慌の最終解決手段は、全世界で数千万人が犠牲となった大戦争でした。

 以上、これから会社存続をかけた経済戦争が激化することはご認識いただいたかと思います。それでは、一体どうしたらこの戦争の勝者になれるのでしょうか?それは正直私にも分かりません。ただ一つ確実なのは、いち早く社内を団結させ「臨戦態勢」を築かないことには、戦争する前にすでに敗者になってしまうということです。

 戦史を紐解くと、必敗の戦争に奇跡的に勝った事例がいくつかあります。私の心に
残った事例では次のようなものがあります。その島を失ったら国が亡びるという重要な戦いに際し、指揮官に与えられた兵士はわずか数百人でした。対する敵は1万人を超える大軍です。誰が見ても必敗のこの戦いに勝ったのは、なんと守備軍でした。いったい何が起きたのでしょうか?

 本国から兵を引き連れ島に上陸した指揮官は、兵士の目前で今降りたばかりの全舟艇に火を放ち沈めました。これにより島にいる全将兵は、これから押し寄せる敵の大群に打ち勝ち、その船を奪わない限り生きて本国には戻れないことを悟りました。そうして腹をくくった数百人の兵士たちは自らの命を顧みず鬼神のごとく戦い、必敗と目された戦いに奇跡的勝利を上げました。

 もう一つの事例は今から20年前に、九州の片田舎で起きた事例です。このストーリーは、某大食品メーカーの子会社であるA社の社長が本社の経営会議に出席し、配られたグループ全社の5ヶ年計画書のA社の4年後以降の目標売上欄が空欄であることに気づいたところから始まります。

 何かの間違いかと思い本社社長に質問すると、その答えは「君の事業所は3年後に閉鎖する」というものでした。「リストラはせず、他事業所に配置転換する」とは言ってくれたものの、A社社長は悩みました。A社社員には家を継ぐために地元にUターン就職した人が多く、それらの人は転勤できないことを知っていたからです。

 会社に戻り、苦悩の表情で事業所閉鎖(=失業)を従業員に告げた社長に、ある従業員から質問がありました。「社長、うちは万年赤字だから潰されるんだろう?もし黒字にしたら、それでも本社はうちを潰すのか?」その場で本社に確認をとると「黒字の子会社を潰す親会社はありません」との回答でした。それを従業員に告げた瞬間、全社員の心が一つになりました。「どんな苦労でも、会社を潰すよりはましだ!!」 「俺たちにできることなら、なんでもやってやるぞ!!」

 A社生き残りの施策は生産コストの半減でした。そうすれば現状の売り上げで黒字化できるからです。その一環として管理部門の圧縮を行いました。従業員550名に対し、20人いた管理部門(総務・経理・情報管理・資材等)を6人に減らす計画です。しかも余剰人員14人は他部署に配置転換し、リストラは行わないこととしました。この計画により魂に火の着いたA社社員は、当初の予定3年を2ヶ月前倒しで黒字化に成功、本社に事業所閉鎖を撤回させました。この事例報告をA社のW氏から直接伺い、涙が出るほど感動したことを昨日のことのように思い出します。

 わずか2例のご紹介でしたが、これに似た戦史や事例は結構あります。それらに共通するのが、圧倒的に不利な状況を覆す士気(兵士の気持ち)の高さです。もちろん士気が高くても戦いに敗れた事例は山ほどありますが、これなしに奇跡など起きないことは間違いありません。

 さて、 ここからが本論です。皆さんのお勤めの会社で経営者・管理職・担当者の「心」を一致団結させ、瞬時に臨戦態勢を築く方法にご興味はありませんか? それが『従業員アンケート』です。いままで『間接業務の見える化セミナー』では、抵抗勢力の未然発生防止手段としてご紹介していた『従業員アンケート』ですが、この仕事を先月3件請け負った際、遅ればせながらその真価に気づきました。

従業員アンケートの実施プロセス

  1. クライアントで従業員アンケート(無記名式)で実施後、TMS研に直送する。
  2. TMS研で集計・分析・対策立案を行い、クライアントに返送する。
  3. 全従業員を一堂に会し、上記②を発表する。

 たったこれだけで、なぜ全社が一致団結し士気が高まるかについては、某社の設計部長Sさんの報告メールをお読みください。

 「ある程度予期はしてましたが、返送されてきたアンケート集計結果は事務局の想像を上回るひどいものでした。愕然とし、今後の対応検討に一週間費やしてしまいました」

 「思い悩み角川さんに電話したところ、「アンケート実施からフィードバックまでの時間が長ければ長いほど従業員は不信感を持ちますよ。事務局は早く腹をくくってください!!」とのお言葉にハッとし、翌週管掌役員に報告の上、報告会を開催しました。席上、従業員が書いてきた仕事上の悩みや困りごとを紹介した時の反響の大きさに、報告者である私自身が驚きました」

 「情報の「見える化」と「共有化」によって全従業員が一致団結し、臨戦態勢が築かれるさまを目の当たりにしました。感動するとともに心の底から勇気が湧いてきました」

 「これから今までに経験したことのない事態が多発すると思いますが、この仲間たちとなら心を一つにして戦える気がします。もちろん怖い気持ちもあるのですが、正直心のどこかでワクワクしている自分がいることを認めざるを得ません」

 御社が今やるべきことは何ですか?

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