⑩TMS研メルマガ一覧表

メルマガ第139号

御社「DX成功のポイント」をご存じですか?

 先日『世界一わかりやすいDX入門』 ( 各務茂雄著、東洋経済新報社刊、1,600円(税別) )を読みました。著者の各務(かがみ)氏は楽天、マイクロソフト、アマゾン等のIT企業を渡り歩いたのち、現在KADOKAWAでDX戦略アーキテクト局長を務めるDXの第一人者です。

 DX、AI、RPAは間接業務の生産性向上の切り札と目されており、政府主導の下それらに取り組む企業が相次いでいます。わたしの専門分野と完全に重複しているので「ひょっとしたら私は時代遅れになったのでは?」との危機感を感じ、先週DX、AI、RPAに関する本を8冊まとめ読みしました。その中で一番参考になったのが、前述の『世界一わかりやすいDX入門』です。

 以下、重要な箇所(およびページ)を引用し、それに対する私のコメント(⇒)を列記します。これを読めば、DX成功のポイントがお分かりいただけます。

DXの本質はデジタル技術と合理的マネジメントを融合すること(P3)
 ⇒ DX化の失敗事例を見ると、マネジメントシステムには手を付けずデジタル技術だけ導入しようとする会社が多い。数値データに基づく科学的組織マネジメントシステムとデジタル技術(AI、RPA)はDX化のいわば「車の両輪」。
DXの定義の再確認(P70~88)
 DXとは、組織の中にデジタル技術を浸透させ、まず働き方をより良いものへと変革させることがその本質である。DXには大別して、売り上げや利益の向上を図る攻めのDX」と、生産性・コスト削減を図る守りのDX」がある。
 「攻めのDX」には、デジタルマーケティング、デジタルサブスクリプションサービス、個別課金によるデジタルサービス、ECのような仕組み、LTVを高めるプラットフォームづくり、の5つがある。
 「守りのDX」には、生産性を高める各種アプリケーション、バックオフィスのデジタル化、リアルオフィスのデジタルによる効率化、従業員向けエッジデバイス、の4つがある。
⇒ 各種アプリケーションとは、パッケージソフト、AI化、RPA化を指す。バックオフィスのデジタル化とは、組織マネジメントシステム(ERP)導入を指す。
社内外の仕事をデジタル技術を活用し品質、スピードを最大にして、コストを下げた上でコストパフォーマンスを最大にすることがDXの本質であり、その成功の基準(P92)
⇒ DXの本質とは、費用対効果(=業務生産性、投資対回収、ROI )の最大化であり、これは「経営」そのものの変革である。
DXには大きく4つのタイプがある (P101~102)
「攻め」×「個別化」 「攻め」×「プラットフォーム化」 「守り」×「個別化」 「守り」×「プラットフォーム化」
⇒ TMS研の得意分野は「守りのDX」(業務改革、ムダ取り、組織マネジメントシステム構築、知的財産の共有化、等)
「守り」×「プラットフォーム化」を未来思考であるファイナンスアプローチで考えられる企業があると強いと思う。働き方改革による従業員の生産性の定量的変化と、従業員1人あたりの原価を正確に把握し比較できている企業があれば、人財を資産と考え投資をしている証拠であり、その企業の従業員は期待に応えてくれるであろう(P107)
⇒ これは『AIOS 業務毎単価ver.』および『個別工数単価』を指す。
改革に抵抗する人とどう付き合うのか? (P157~173)
DX道( DXのゴールに至るプロセスフロー、P158)
DXを進めるのは難儀( P159 )
まずは社内の仲間を探せ、抵抗勢力は後からついてくる(P161)
DX成功のために、抵抗勢力を仲間にすることが重要である(P164)
⇒ 抵抗勢力対策は、社内コンサル出身の私の最も得意とするところ。
日本企業のDXで評価される人材とは?(P180~190)
ハンター型( ハイリスク・ハイリターン )とファーマー型( ローリスク・ローリターン )に大別される。
⇒ ハンター型人材のスキル向上にTMS研メソッドは役立つ。
コロナ禍で問われる「オフィスとは何か?」(P230~232)
オフィスとは、作業をする場所ではなく、チームのメンバーと集まってコミュニケーションをとる場所になりつつある。今後、出勤を必須とする企業が減っていくことは確実。
⇒ リモートワーク( 在宅勤務 )がニューノーマル化する今後は、管理者不在でも生産性が落ちないシステムの構築が重要。そのため組織マネジメントシステムの存在は、企業存続の必須条件となる。

 同書を読み、TMS研の社会的ニーズが健在であることを確認でき、ホッとしました。当研究所は、DXの「守り(業務生産性向上、コスト削減)」でお役に立てます。それより私を驚かせ、かつ大きな自信を与えてくれたのが、上記⑤(全文赤文字)です。

 上記⑤を読めば、個別業務の遂行に費やすコストを金額で表示した『AIOS 業務毎単価ver.』、従業員一人当たりの原価である『個別工数単価』の存在に、筆者ならびにGAFA、MS(マイクロソフト)が気づいていないことが分かります。

 また上記⑥では抵抗勢力との付き合い方が書かれていますが、抵抗勢力と直面することこそDX推進事務局にとって最大の悩みです。これが原因で、うつ病を発症したり、突発退職する事務局員も多いと聞きます。「抵抗勢力と付き合う」より「抵抗勢力を発生させない」ほうが、DX成功への近道であることは疑う余地がありません。

 その近道である『従業員アンケート』もGAFAやMSの盲点に入っていることが上記⑥を読めば分かります。言わずもがなですが、トップダウン活動成功の秘訣である『ボトムアップ活動』の並走にもおそらく気づいていないことでしょう。

 私にその市場価値を教えてくれ、大きな自信を与えてくれた『世界一わかりやすいDX入門』は、今後の会社経営を模索する経営者の方やDX推進事務局、そしてこれからの会社のあり方や働き方に不安や関心をお持ちの方すべてにご一読をお勧めします。

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