⑩TMS研メルマガ一覧表

メルマガ第96号

こんな時期だからこそ「従業員の本音」に耳を傾けてみませんか?

 先日『文芸春秋5月号』の記事『「脱ゴーン」私の秘策を語ろう』を読みました。筆者は日産自動車(株)社長 内田誠氏です。ご存じの通り同社は、ゴーン氏・西川氏の両名が役員報酬絡みの問題発覚により相次いで退任しました。

 後任の内田社長が最初に行ったことは、①現場に赴き、その実態を自分の目で現認する ②従業員と直接対話し、社員の気持ちを把握する、でした。これらは他社でもよく行われており、御社の経営陣の方々も日々励行されていることと思います。しかしながら、①はさておき②の有効性に私は大きな疑問を持っています

 多くの経営者は②によって「これで従業員の気持ちは分かったぞ!!」と思うのですが、実はそこが間違っています。はっきり言って対面による情報収集は日本人相手にはうまくいきません。日本人は「本音」と「建て前」を使い分けるからです。また、声の大きい人、印象の強い人、経営者側にとって都合の良い意見だけが耳に残り、その他大勢の人の意見が軽視される傾向があります。そのような精度の怪しいデータを元に立案・推進した業務改革プロジェクトがうまくいかないのも当然です。このことに気付く社長・経営者の方はあまりいらっしゃらないように見受けます。

 コロナ禍による市場の冷え込みを受け、トヨタが5・6月の生産台数を予定の半分に減らしました。日本経済を牽引するトヨタですらこの有様ですから、今後しばらく日本経済(世界経済)は冷え込むと考えられます。そのような経営環境下、「会社」という名の船の舵(かじ)を握られる経営陣の方々の心労は察して余りあります。過去に経験したことのない荒海(経済の転換期)を、海図もなしに航海しているようなお気持ちだと思います。各部署で陣頭指揮を執る管理職の皆さんにも、経営陣の不安は伝わっていることでしょう。そんな皆さんに、私から一つ提案があります。

 この機会に一度、スタッフの「本音」に耳を傾けてみてはいかがでしょうか? 皆さんが不安なのと同様に、スタッフの皆さんも「次のボーナスは出るのかな?」 「リストラされないかな?」 「この会社は生き残れるのかな?」等々、不安な気持ちで一杯です。それらを見える化・共有化するだけで部署(全社)に一体感が芽生え、これから激化する会社生き残りを掛けた経済戦争に向け、臨戦態勢を築くことができます。『アフターコロナ』を生き抜くファーストステップとして、これに勝るものはありません。

 前述の日産社長内田氏は「現場の声は8割正しい」と言っています。その「現場の声」を聞く手段が『外部機関による無記名式従業員アンケート』です。

 私事ですが、4月末に長年愛用していたノートPCが突然壊れました。HDからのデータ救出、新規PCへの乗り換え、メールアドレスの復旧等に手間取り、月2ペースで発行している当メルマガの発行が50日間ストップしました。6/9(火)に久しぶりにメルマガを送信したところ、12名から不着メールが来ました。その内訳は社長1名、課長8名、担当者3名です。

 12名のメルマガ読者の身に何が起こったのかは、説明不要かと思います。「ピンチはチャンス」と言いますが、何も行動を起こさない人はピンチをチャンスに変えることなどできません。このメルマガを読まれた皆さんが直ちに行動を起こされることを、心より願っております。

 こんな時期だからこそ「従業員の本音」に耳を傾けてみませんか?

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