⑩TMS研メルマガ一覧表

メルマガ第52号

あなたは病院でいきなり『手術』を受けますか?

  私は業務「改善」と業務「改革」の実施タイミングの違いについて、次のように考えています。
     
 改善…現状のやり方で概ねうまくいっている時(平常時)に行う。
 改革…現状のやり方ではもうダメな時(非常時)に行う。

 これを病院に例えると、ちょっと悪い時はお薬による治療、相当悪い時は手術、とうことになります。そのように考えると、次のことがよく理解できるはずです。

  1. 社業績(身体)がさほど悪くないのに、業務改革(手術)を行う危険性。
  2. 会社業績(身体)が危機的なのに、業務改善(投薬治療)を続ける愚かしさ。

 ここで話は変わりますが、私はセミナー等で大都市へ行く時、大きな本屋さんに立ち寄ることにしています。私の専門とする「間接業務の生産性向上」に関する本は、田舎の本屋にはなかなか回ってこないからです。私はかれこれ15年以上ビジネス書コーナーをウォッチングしていますが、現政権が『働き方改革』を目玉政策としているせいか、最近「生産性向上」「業務の効率化」に関する本が増えてきたように感じます(神田神保町の三省堂書店では30冊ほど置いてました)。

  しかし不思議なことに、会社の現状の「見える化」に関する本は1冊もありません(ついでに言うとビジネスセミナーもありません)。現状の「見える化」を病院に例えると、会社の「健康診断」もしくは「病状の診察・検査」にあたるはずです。医学書のコーナーには治療方法の本の他に診療(診断・検査)方法の本がありますが、なぜかしらビジネス書のコーナーには治療(業務改善・改革)方法の本しかないのです。皆さんも「何かおかしいな?」とは思いませんか?

 ちなみに病院で患者にすぐ治療行為を行うのは、患者が意識不明で病状(症状)が明白(火傷や骨折等)な場合のみです。日本の会社の業績はそんなに重篤なのでしょうか?

 病院に行くと、通常は治療の前に次のようなことを行います。

  1. 簡易検査(体温、血圧等)
  2. 診察(問診、視診、触診等)
  3. 精密検査(レントゲン、CTスキャン、MRI等)

 上記①~③で患者の病状(どこがどの程度悪い)を数値データ(定量的に)で測定し、治療方針(投薬or手術)を決定します。また医者は治療前に患者に病状をよく説明し、なぜこの治療方針にしたかを話し、患者の同意を得ることが義務付けられています。その際、セカンドオピニオン(別の医者の診断)を患者が希望することもできます。

  それに対してビジネスの世界ではどうでしょう。経営者が会社を自己診断し、社外コンサルタントや自社の業務改革部署(チーム)に業務改革(手術方法)を指示します。患者(社員)に対する診療や検査もなく、同意を得ることもありません。これでは貴重な経営資源(人・物・金)を投入して業務改革プロジェクトを断行しても成果は乏しく、また将来「病」が再発しても決して不思議ではありません(むしろ「当然」のような気すらします)。このようなKKD(カン・根性・度胸)による非科学的な経営で、昨今の厳しい経営環境下を本当に生き残れるのか疑問に感じます。

 「例によって言いたい放題言いやがって!! お前なら一体どうするんだよ!!」

 おっ、久々のご登場ですね、匿名の読者様(笑)。私なら次のようにします。

【ト―タルマネジメントシステム研究所の診察・治療プロセス】

  1. 簡易診断『このようなことでお困りではないですか?』に答えてもらい、病状を自己診断してもらう。
  2. 事務所無料診断』を受けてもらい、第三者(角川)の目で病状(どこがどの程度悪い)を視診する。
  3. 記名式の『従業員アンケート』を実施し、従業員を問診する。
  4. 『従業員アンケート』結果を集計・分析し、病状の診断書治療計画を作成した後、従業員に報告し同意を得る
  5. 会社の現状を「見える化」するツール『AIOS』を作成してもらい、その病状を数値データ(工数や金額)で定量的に把握する(精密検診)。
  6. 各々の症状に対し、その重篤度に応じ業務改革(トップダウン活動(手術)・ 業務改善(ボトムアップ活動(投薬治療)のいずれかを行う。
  7. 病状の再発防止および健康増進(業務生産性向上)のため、業務マニュアルを計画的に整備してもらう。

 匿名の読者様、こんなところでいかがでしょうか? ちなみに上記の診察・治療プロセスの遵守により、当院(TMS研)の治癒実績はいまのところ100%です。

「ふ~ん、本の1冊も書いてない無名コンサルだと思ってバカにしてたけど、あんた意外にやるな」

「……… (本当にほめてるのかな?)」

 あなたは病院でいきなり『手術』を受けますか?

 

Sitemap

Contact us

お気軽にお問い合わせください。
PAGE TOP
PAGE TOP