⑩TMS研メルマガ一覧表

メルマガ第67号

あなたは他社の事例が気になりませんか?

 私は前職(中堅部材メーカー、従業員数700人)で安全衛生、QCサークル、5S、改善提案等の事務局を経験しました。また後年会社倒産の危機を救うことになる間接業務の「見える化」プロジェクトを自発的に立ち上げたこともありました。

 さて、ここで皆さんに質問ですが、担当業務の現状に何か問題があり、このまま従来通り業務を遂行していてはまずいと思った時、皆さんなら一体どうされますか? 目を閉じて3分間考えてみてください。

 私は『他社事例』を調べることにしていました。前述の私が担当した業務に関して言うと、安全衛生活動は他社事例に触れることが容易でした。所轄の労基署の大会での事例発表や、工場見学、書籍等色々な方法で学ぶことが出来ました。

 QC サークル(職場小集団)活動も、各都道府県毎に組織された推進団体があり、年2 回の大会や工場見学、雑誌、書籍で学べます。私も初めて茨城県のQC発表会を見た時は、その内容の素晴らしさに身震いするほど感動したものです(笑)。

 QC発表会の実態が世話人(技術員)や事務局によるパワーポイント競技会であることに気付き活動を停止し、新規に5S活動を立ち上げた時も、セミナー、工場見学、書籍等で随分と勉強しました。なんせ私が『事務局』と言う名の『社内コンサル』として指導しなければなりませんので…。「教えることは学ぶこと」の言葉の通り、本当に力が付きました。

 前述の3活動に比べ、改善提案は苦戦しました。工場見学は日本IE協会がたまに開催する程度、書籍に至ってはほぼ皆無、わずかに日本HR協会1社が月刊誌を刊行、セミナーを開催しているのみでした。仕方ないので自分の頭で考えました。その熱意が天に通じたのか、リニューアルスタートさせた『改善報告活動』は大成功を収めました。

 さて間接業務の「見える化」プロジェクトですが、これが一番苦労しました。私が着手した14年前は『働き方改革』などと言う言葉は存在せず、当テーマに取り組んでいるコンサル会社は、私の知る限り中部産業連盟(VM)くらいでした。こちらも仕方がないので自分の頭で考え、自社で検証しました。皆様ご存知の『業務管理(組織マネジメント)システム』です。

 そんな間接業務の「見える化」ですが、昨今の『働き方改革』ブーム(?)に後押しされ4年ほど前からビジネス書のコーナーにいくつか書籍が並んだり、ビジネス誌で特集が組まれるようになりました。14年前を思うとまさしく隔世の感があります。

 ところで私は長年の研究と実践活動の結果、製造メーカーにおける2大危機的状況にある部署総務(管理)部門と設計部門であると確信していますが、そんな設計部門の皆さんの役に立つ事例集が昨年末に刊行されました。『R&D部門の働き方改革とその進め方』(技術情報協会刊、505ページ)がそれです(案内チラシを添付しました)。

 この本には20数社に及ぶ『設計部門の働き方改革事例』が収録されています。また『働き方改革』指導をテーマとするコンサルタント、『働き方改革』に詳しい弁護士・社会保険労務士・産業医・大学教授の執筆記事も収録され、『働き方改革』の百科事典と言える内容です。

 私も購入し先頃読了したのですが、この道の専門家(『働き方改革』推進請負人)を自負する私から見ても参考になる記事がありましたのでご紹介します。

 まず各社の取り組み事例は、間違いなく参考になります。私も前職で同じ立場(事務局)だったため、前例のないプロジェクトに取り組んだ各社の皆さんの心情やご苦労を考えると、自然に目頭が熱くなります。皆さんにもぜひお読みいただきたいと思います。

 その他、私が組織マネジメントコンサルの視点から感心した記事は下記の通りです(赤字は角川のコメント)。ここからは添付の案内チラシを印刷し、お手元に置いて読まれることをお勧めします。

【角川推奨の記事一覧】

第5章 第2節
企業成長のための働き方改革
→「働きやすさ」ではなく「働き甲斐」が大事!!

 同 第3節 実態調査の結果から見る「働き方改革」推進の現状

 同 第4節 働き方改革のための職場、意識改革

 同 第5節 R&D部門における従業員幸福度と労働生産性の高い職場の作り方

第7章 第4節 研究開発の生産性向上と研究員がイキイキ働く「働き方」の考え方

 同 第5節
村田機械における「新統合」を目指した開発部門の「働き方改革」の取り組み
→日本マイクロソフト社の事例が紹介されている

第8章 第2節 研究開発の効率化のための準備の仕方・計画の立て方

 同 第3節
会議・ミーティングの生産性向上
→ドイツの事例が参考になる

 同 第4節
変化・成果を生む会議の実践
→会議に要するマンバワーを金額換算している

 同 第6節 研究開発業務に適したタイムマネジメントの手法

 同 第7節 研究開発業務の迅速化について

 同 第8節 付加価値向上を目指す働き方改革支援

 第9章 第1節 社員の意識と行動を変える仕組みづくり

 同 第3節
イノベーションを生む人材マネジメントの具体的方法
→自律型人材の育成方法が分かる

 同 第4節
研究開発における効率的な暗黙知伝承の勧め
→業務マニュアルの作成指導者は必読

第10章 第2節
女性力をフルに引き出す商品開発と組織マネジメント
→比較文化論の観点から論じられており興味深い

 同 第3節
イノベーションを生み出す組織とダイバーシティ
→筆者の考え方が参考になる

第11章 第1~3節
テレワークに関する記事
→近い将来増えるだろうテレワーク(在宅勤務)が分かる

 同 第4節
パラレルキャリアの効果と具体的進め方
→本件に関する日本企業の後ろ向きさ加減がよく分かる(未来工業に学べ!) 

 ここまでお付き合いいただいた皆さん、どうもお疲れ様でした。         

 「お~い、お話し中悪いんだけどよ、添付の案内チラシの第1章「『働き方改革』は組織マネジメント改革」ってよ、ひょっとしてあんたが書いてんのか?
 「お察しの通りです、謎の読者様」
 「あんたも立派になったなぁ~。亡くなったご両親もあの世で喜んでんじゃねぇか?
 「お褒めにあずかり光栄です(苦笑)」

 あなたは他社の『働き方改革』事例が気になりませんか?

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