⑩TMS研メルマガ一覧表

メルマガ第31号

あなたは『画期的なアイデア』を思いつくために何をしていますか?(その①)

 ビジネスセミナー講師として独立開業して早4年、気が付けば21回(セミナー会社:5社、テーマ:6)お話しさせていただきました。その中で『設計部門の「見える化」』セミナーは一番人気のようで、過去4回で89名の方にご受講いただきました。受講者アンケート結果もお陰様でそこそこ好評なのですが、セミナーへの不満事項の欄に毎回数名「もう少し設計領域に踏み込んだ内容かと思ったが、そうでなくて残念」旨書かかれる方がおります。

 設計部門特有の業務とは、おそらく『アイデア創出』のことと推測いたします。同セミナーで紹介しているAIOSの適用範囲は①ルーチン業務②過去に1度はやったことのある業務なので、設計のような①クリエィティブな業務②初めてやる業務にははっきり言って不向きです。しかしながら前述のクレームは毎回散見するので、『アイデア創出』は設計者の皆さんには重大な問題なのでしょう。

 ここで私が身を置くビジネスセミナー業界について考えてみると、無数にいる『先生(同業者)』の中から受講者(顧客)に選んでいただくためには①画期的な内容②それを的確に伝える技術の2つが必要不可欠です。他の先生と同じ内容を同じ方法で教えていたのでは、生き残れません。このことをよくよく考えてみると、メーカーの設計者とよく似ていることに気づきました。設計者の皆さんも日夜、他社を凌駕する画期的な製品を世に送り出すことを夢見て、脳に汗をかかれているのでしょう。

 そこで前述の悩みを持つ皆さんに、日夜画期的なセミナー創出のため苦悶している私が実践している『アイデア創出法』を僭越ながらご紹介したいと思います。シリーズ第1回となる今回は『どこでもメモ』です。「えっ、こんな方法…」と思われるかもしれないシンプルなメソッドですが、効果は絶大です。バカにしないでぜひ一度やってみてください。

 さて皆さんはいゆゆる『裏紙(片側だけ印刷されている不要となったA4コピー用紙)』はどのように活用されていますか? 私は以前からカッターで四つ切にし、クリップで留めてメモ用紙にしていました。これが使い方次第では凄い効果があることに気づいたのは、5年前会社を辞め独立開業の準備を始めてからでした。

 私が志したコンサル業界は、皆さんご存じのように頭のよい先生が山ほどおられます。それらの先生方が競争相手ですから、こちらも全力で立ち向かわなければなりません。そのためアイデア創出本や脳科学本を多数読みました。そこで分ったことは、「凡人でも一瞬天才になることがある」ということです。私のような凡人が日夜を問わず難しいテーマについて一生懸命考えていると、きっと神様が同情するのでしょう(笑)。何かの拍子に、自分の頭から出てきたとは信じがたい画期的なアイデアが脳裏をよぎることがあります。この瞬間こそ「凡人が天才になる瞬間」です。

 そして実はここが問題なのですが、この「奇跡の瞬間」はあっという間に終わってしまうのです。なのですぐにメモすることが大切となります。そこで『どこでもメモ』の登場です。A4の裏紙を四つ切にしたものを50枚クリップで留め、そこに書き味の良いノック式のボールペン(私は『JETSTREAM』を愛用してます)をくっつけたものです。この『どこでもメモ』をいつでもどこでもすぐに手にとれるようにするのです。

 私の場合、自宅寝室のベッドサイドテーブル、トイレ、書斎、リビングとありとあらゆるところに設置してあります。特に寝室のベッド横はとても重要です。なぜなら大脳は眠らないからです。昼間インプットした情報を睡眠中に整理・統合してくれる素晴らしい機能もあるのですが、この機能の成果は寝起きの一瞬で消えてしまいます。小説家等のクリエィティブ職の方でベッド横に大学ノートを置いている人が多いのは、このことを熟知しているからです。我々もマネしない手はありません。

 また外出時にも『どこでもメモ』は必携です。なぜなら大脳が外部からの情報による『刺激』を受けた後、『画期的なアイデア』が出ることが多いからです。私の場合、外出時はショルダーバッグの中、散歩中はジャンパーやズボンのポケットの中、ドライブ中はシフトレバーの横に『どこでもメモ』があります。経験的に、深夜のウォーキング中やドライブ中に『画期的なアイデア』が生まれることが多かったように思います(詳細次回)。

 ただしこれらの『画期的なアイデア』も後から見返すと実際に使い物になるものは1~2割程度です。それ以外は「なんじゃこりゃ?」というものが大半ですが、それでもいいと私は考えます。『画期的なアイデア』は色々なものがランダムに出てきますので、それらをテーマ毎に分けて保管しておくことが重要です。いつかきっと役に立ちます。

 さてここまで読んで「メモなんて持ち歩かないで、スマホに収録すればいいのに。まったく角川さんは『昭和丸出し』なんだから…(苦笑)」と思った人はいませんか? 私がスマホをお勧めしない理由は次の通りです。

  1. すぐに情報を書き込めない。
  2. 字しか書けない(イラストや図表が書けない)。
  3. 情報の処理に制約がある。

 特に①は致命的です。「幸運の女神は前髪しかない」とはかのレオナルド・ダ・ビンチの言葉ですが、一瞬しか脳裏に存在しない『画期的なアイデア』はスマホのアプリを起動するまで待ってくれません。『どこでもメモ』の仕様説明に、ノック式の書き味の良いボールペンと書いてあるのもそのためなのです。ボールペンのキャップを取る時間ですら惜しいのです!! 

 また文字等の言語データで書く時間がない場合は、イラストや図表でもいいのでとにかく後で思い出せるよう何かを書き残すことが重要です。

 こうして書き溜めたメモはテーマ毎に保管し、アイデアを形にするときに使用します。その際にメモ用紙のままだと、QC新7つ道具の一つ『親和図法(KJ法)』が使えます。

 皆さんがこの『どこでもメモ』を活用し、『画期的なアイデア』を得られますことをお祈りいたします。次回の『深夜ウォーキング』編をお楽しみに。

 あなたは『画期的なアイデア』を思いつくために何をしていますか?

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