⑩TMS研メルマガ一覧表

メルマガ第102号

あなたは「ポジティブ思考」ですか?

 私が長年趣味とした将棋には指す人固有の棋風というものがあり、「攻め派」と「受け派」に大別されます。先日、将棋界の若きエース藤井聡太二冠王と戦った最年長タイトル保持者木村一基王位のニックネーム『千駄ヶ谷の受け師』とは同氏が「受け派」であるという意味です (「千駄ヶ谷」は日本将棋連盟本部の所在地)。 「受け派」「攻め派」の判別は、同一局面で受け (守備)の手を選ぶか、攻め (攻撃)の手を選ぶかによります。

 これと同様に全く同じ状況であっても、悲観的にとらえる人と楽観的にとらえる人がいます。今これを会社でお読みのあなたのお財布に、千円札が1枚入っていたとしましょう。この状況を「やばい、1,000円しかない、どうしよう~」と思うか、「お~よかった、まだ1,000円あったぞ、超ラッキー!!」と思うかで、あなたが悲観派or楽観派か判別できます。どちらでしたか?

 このように世の中の人は悲観派・楽観派に大別できます。どちらに属するかで、同じことが起きても、そのとらえ方 (見方・考え方)が180度異なります。

 もちろん悲観派・楽観派の双方に良い点・悪い点はありますので、その良し悪しは断定できません。ちなみに私は計画を立てる際、最悪の事態を想定して立案し、遂行する際は、「この計画がうまくいかないはずがない!!」と楽観的にやるようにしています。

 現在全世界を襲っているコロナ禍により、100年に一度の経済危機(恐慌)が来ると言われています。まさしく一生に一度の大ピンチですが、本当にピンチなのでしょうか? 皆さんの人生でも、その時は「絶体絶命のピンチ」としか思えなかった事態が、それを乗り越えた後で振り返れば「千載一遇のチャンス」であったことに気付いたご経験はありませんか?

 以前メルマガでご紹介しましたが①富士フイルム ②常磐ハワイアンセンター の2つの事例こそまさしく「絶体絶命のピンチを千載一遇のチャンス」に変えた事例です。以下、簡単に説明します。

富士フイルムは売上の6割を占めた(2000年当時)主力製品が、デジカメの普及によりそのニーズが激減し、会社存続の危機が迫っていました。この危機に際し古森社長は大胆な業種転換を主導し、見事成功させました。一方ライバル社だったイーストマン・コダック社は、このピンチを乗り越えられず、倒産に追い込まれました。
常磐ハワイアンセンター (福島県いわき市、現スパリゾート・ハワイアンズ)はもともと炭鉱会社(常磐炭鉱)でした。昭和40年代の政府のエネルギー政策の転換(石炭から石油へ)で会社の前途を絶たれ、従業員の雇用確保 (「一山一家」)のために、石炭採掘業からアミューズメント施設運営業へと大胆な業種転換に挑み、見事成功させました。他の炭鉱 (三池・夕張等)は経営環境の変化に対応せず、すべて消滅しました。

 上記①②の後でご紹介するのはおこがましいのですが、わがトータルマネジメントシステム研究所も今年4月にコロナ禍により存続の危機に瀕していました。TMS研の事業の4本柱は ①セミナー会社 ②出張セミナー ③コンサルティング ④英会話教室 なのですが、そのすべてがキャンセルとなり2ヶ月間無収入でした。

 ④の英会話教室は妻 (外国人)の事業なのですが、従来の集合レッスンからZOOMによる在宅レッスンに切り替え復活しました。送迎の手間がなくなったと保護者からも好評で、他の教室から転入生もありました。ネットビジネスに自信を持った妻は、その後旅行代理店の営業代行業務も立ち上げました。
 
 ①~③を担当する私も「県外での仕事がダメなら県内だ!」と矛先を変え、JR常磐線で30分の県庁所在地水戸の経済団体数社に飛び込み営業を敢行し、3団体から業務依頼をいただきました。いままでなんとなく遠慮していた県内営業ですが、よくよく考えると県外に比べ、コンサル受注のハードルが低いことに気付きました。会員にしていただいた茨城県経営者協会さんの新入会員歓迎会席上でも、居並ぶ茨城県の財界の名士を前に「心の折れかかった経営者の方は、10/30の私のセミナーに来てください!!」とアピールする始末です (苦笑)。

 また②の出張セミナーの代わりにリモートで始めた『従業員アンケート事業』も、おかげさまですでに5件受注しました。

 2人の子供 (浪人生とJK2)と住宅ローンを抱えた身で、事業の4本柱が総崩れになった時は正直どうしようかと思いましたが、今考えると我がTMS研にとって今回のコロナ禍は業態変更のまたとないチャンスだったことが分かります。またコロナ禍により経営の悪化した会社の経営者から見て、会社に潜在する事務所埋蔵金を管理利益に転化・計上できる組織マネジメントシステムは、確実に利益を上げられる方法としてその魅力度が向上していることは間違いありません。まさしく「逆風転じて追い風」です。

  読者の中には「事業が全滅し2ヶ月間無収入で、よく角川さんは自殺しなかったなぁ。その鋼(はがね)のメンタルにあやかりたいもんだ」と感心している方もいるかもしれませんね (笑)。

 業態変更を成し遂げた今、成功理由について考えると、下記3点が挙げられます。

① 私・妻ともその売り物 (事業)の社会的ニーズは健在だった (この点が前述の富士フイルム・常磐炭鉱とは違います。したがって業種転換は不要でした)。
② 前述の経済的理由により逃げ場がなく、腹をくくるor首をくくる、のいずれかしか選択肢がなかった。
③ 私・妻とも心が折れなかった。

 これまでに紹介した3つの事例から「ピンチ」とは必ずしも「悪」ではないことがご理解いただけたと思います。本当に「悪」なのは、「ピンチをチャンスに変えてやろう!!」という戦意を持たず、いたずらにピンチを怖がり何もしない (座して死を待つ)ことなのです。

 後年人生を振り返り、「あの時はピンチと思ったけど、今考えるとチャンスだったなぁ」と思えるかどうかは、ピンチを前に心が折れないかどうかにかかっています。戦う前から戦意を喪失しているようでは、いずれ市場から淘汰されてしまいます。

 有史以来、死ななかった人間は一人もいません。致死率100%の生き物です。どうせ最後は死んでしまうのですから、コロナ禍によるピンチを、自分の人生を飾る1ページに変えてやろうじゃありませんか!! そのために必要なのが「ポジティブ思考」です。
 
 最後に「ポジティブ思考」の極致ともいえる詩をご紹介して、お別れしましょう。

あなたは「ポジティブ思考」ですか?

【ニューヨーク市立大学病院の壁の落書きの詩】(翻訳)

大きな事を成し遂げるために
力を与えてほしいと神に求めたら
謙遜を学ぶようにと弱さを授かった。

より偉大なことができるようにと健康を求めたのに
より良きことができるようにと病弱を与えられた。

幸せになろうとして富を求めたのに
賢明であるようにと貧困を授かった。

世の中の人々の賞賛を得ようとして成功を求めたのに
得意にならないようにと失敗を授かった。

人生を享楽しようとあらゆるものを求めたのに
あらゆることを喜べるようにといのちを授かった。

求めたものは一つとして与えられなかったが
願いはすべて聞き届けられた。

神の意に添わぬ者であるにもかかわらず
心の中で言い表せないものはすべて与えられた。

私はあらゆる人の中でもっとも豊かに祝福されていたのだ

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