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メルマガ第4号

御社のISO9001は本当に会社業績に寄与していますか?

 私はいつもセミナー冒頭で受講者の方に「ISO9001の認証をお持ちですか?」と必ず聞くことにしています。工業系セミナー会社主催のためと思いますが、毎回8割以上の方がこの問いに対して挙手してくれます。その光景を見るたびに「認証取得や維持管理に費やすお金と工数に見合う利益は、本当に得られているのかなあ?」と心の中で呟いています。

 よく見られるISO9001の考え方として「ISO9001は日本で製造業をやっていくための「パスポート」のようなもの。よって、認証をはく奪されないよう最小限の工数で取り組む。審査費用等は、「税金」と思って割り切る」というものがあります。私がかつて在籍した会社でも、各部署の手間を極小化するため一人で全部署の書類を作成し、「名事務局」と謳われた方がおりました。

 しかし、そのような体制もある日突然終わりを迎えました。認証の費用対効果に疑問を持った工場長(トップマネジメント)に呼ばれたISO事務局(管理責任者(部長)と私)を待っていたのは「お前たちでよく考えてISO9001を『使い物』になるようにしろ!それが出来ないならISOなんて止めてしまえ!!」という事実上の『最後通牒』でした。

 その日から事務局の目の色が変わりました。手始めに工場・事務所で行っているプロジェクトや改善活動の実態を調べる目的で一覧表を作成したところ、従業員数500人の会社でなんと29もあることが判明しました(しかもそれを調べ上げるのに1週間もかかりました)。29ある活動の内容を仔細に見ていくと、結構重複がありました。活動を推進する事務局同士で、全くコミュニケーションの場がないため、このような事態を招いたのです。これでは実際に活動する方はやってられません。

 「これじゃあ、薬を飲みすぎて、かえって身体を悪くするようなもんだわなぁ」と管理責任者が思わず苦笑したものです。当社に必要なことはまずプロジェクト(改善活動)の総量規制(産児制限)だ、との結論に達したISO事務局はA3版(横書き)1枚の品質計画書に各部署毎の全活動をまとめることにしました。

 また「うちはISOを取って17年も経つのによぉ、いまだに監査で「PDCAサイクルが回っていませんね」なんて言われてんだよなぁ、おー情けねェ。なんとかならねぇのかなぁ」とぼやく管理責任者に①計画の進捗を数値で定量的に管理する仕組み②PDCAサイクルが放っておいても回る仕組み(書式)、の2つを提案したところ、即採用となりました(その結果、品質計画書は『経営品質計画書』という名前に昇格)。

 その後、作成・運用マニュアルを作成した上で部課長を集め説明会を開催し、導入・運用を開始した『経営品質計画書』の真価が問われる日が突然訪れました。某部署が官公庁に偽造文書を提出したことが発覚、製品が出荷停止になる不祥事が起きたことを重く見たISO認証機関からトップ監査員がやってきたのです!!最悪認証剥奪、という緊張した空気の中、数日間に亘る特別監査が終了しました。そのクロージングミーティング席上で監査員はこのように述べました。

 「御社の不祥事を聞き、ISO屋の私はその発生原因について「きっとPDCAサイクルが回っていないんだろうな」と考えていました。しかし御社の『経営品質計画書』を拝見して驚きました。正直に言うと、私は御社の社員でなくて本当に良かったです。活動の進捗状況が誰の目にも明らかなこの計画書で管理されたら、私はとても生きた心地がしないからです」

 こんな品質計画書、御社のお役に立ちませんか?

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