冒頭から例によって挑発的なタイトルで申し訳ありません。まずは添付『こんなことでお困りではありませんか?【総務部課長編】』で御社総務(人事・管理、以下「総務」に総称します)部門の機能状況を自己診断してみてください(所要時間3分)。
いかがだったでしょうか? ここから先は、全10項目のうち5項目以上に該当された方のみお読みください(各質問項目毎の「主な原因」「対処」をまとめた『質問別解説』も添付しました)。
私の数多くの職歴の中で、某中堅部材メーカーでの総務部は6年半と突出して長く、在籍中は会社合併・大リストラ・事業所閉鎖等々非常に多くの経験をさせてもらいました。そんな中、同僚である他の総務部員(全員総務以外経験なし)を第三者(よそ者)目線で観察すると、次のようなことに気づきました。
他の総務部員は『総務部』をどうやら他の部署とは一線を画す『特殊(別)な部署』と思っているフシがあり、自負(プライド)が非常に高い。そのため質・量共に自分の能力を超える仕事を任されても決して「出来ません」とは言わない(言えない)。その結果、メンタル不全者や健康障がい者発生率が他部署に比べ高い。
私の上司(総務部長)はリストラの最前線に立たされメンタル不全発症により親会社へ出向復帰、その仕事の半分が回ってきた私も半年後に健康に支障をきたし救急車で入院しました。その後、ISO9001管理部署で間接業務の「見える化」プロジェクトを指揮した私の見るところ、総務部の「特殊性」は次の2点です。
それ以外は実は他部門とさして変わりなく、業務マネジメント方法も全く同じです(生粋の総務部員の方は認めたくないかもしれませんが…)。
そんな総務部が今、危機的状況にあります(添付『総務・管理部門の置かれている状況』参照)。どうですか? 皆さんの会社の総務部にも思い当る点はありませんか?
そんな総務部を立て直すヒントは、実は結構身近なところにあります。世界トップレベルの生産性と品質を誇る製造現場に学ぶのです!! 同じ日本人なのに現場と事務所の生産性にそれこそ「天と地」の差がついた理由は、『生産管理システム』と『品質管理システム』の有無にあります。逆に言えば「それだけ」です。現場は長い年月努力を積み重ね、両システムで組織を鍛えぬいてきました。事務所だって、やってやれない訳がありませんよね?
私は両システムを統合した『業務管理システム』の自社構築方法の普及目的でビジネスセミナーを行っていますが、いままでに数名「自社ではもう導入済みです!!」と誇らしげにカミングアウトされた方がおられました。実社名は明かせませんが、いずれもその業界ではトップに君臨するメーカーです。欧米では当たり前のように存在している『業務管理システム』ですが、『愛社精神』『使命感・義務感』『根性・気合』等により従業員に『滅私奉公』を強いたがる古いタイプの日本企業においては未導入のところが多いようです。
しかし時代は変わりました。例の電通事件(新入社員の過労死)を契機に『働き方改革実行計画』が政府によって法制化されようという今、前述の古いタイプの会社(ブラック企業)に「未来」はありません。市場からの「退場」を告げられるのも時間の問題でしょう。
そうならないためには、まず自社の業務の実態把握が不可欠です。そして『業務「見える化」プロジェクト』の中心にならなくてはいけないのが総務部です。その総務部から、過重労働によるメンタル不全者や健康障がい者を発生させているのでは話になりません。他部署は総務部主導の『組織マネジメント改革』を切望しているのです!! 考えてみてください、従業員・経営者・株主の「三方よし」の組織改革を主導できる部署が、貴部署の他にありますか? 総務部の「特殊性」を発揮する時は今です。さあ、立ち上がれ、総務部!!
御社の総務・管理部門は機能不全を起こしていませんか?