私は職業柄ビジネス書をよく読むのですが、数十冊に1冊の割合で「これは良い本だなぁ」と感心させられる本があります。『すべての仕事は「逆」から考えるとうまくいく(日本実業出版社刊)』もその一冊です。
外資系コンサルタントである著者(共著)の主張は「問題を定義し、入念に分析し考えた解決策を実施すれば、問題は解決する」という実にシンプルなものです。言われてみれば当たり前のことですが、実際にこれが出来ている人は(私も含めて)少ないのではないでしょうか?
ここでちょっと、みなさんの高校・大学受験時代を思い出してみてください。
①~③の前提を踏まえて、受験までの1年間で5教科合計を(余裕を見て)100点上げるプロジェクトがスタートします。後は④~⑦の通りです。
これだけで志望校へ晴れて入学できる確率が相当向上します。このように考えれば、人間なんでもできそうな気がしませんか? (中高生のお子さんをお持ちの方、ぜひお子さんに読ませてくださいね)
カリスマコンサルタントとして有名な堀紘一氏(元ボストンコンサルティング社長、現ドリームインキュベイタ会長)は高校時代、合格圏にほど遠かった東大(文科一類)を志望校に定めた後下記を実施し、たった一年間の受験勉強で合格したそうです。
私の在籍した高校(進学校)にもこういう人はいましたが、私は正直軽蔑していました。なんだか「学問に対する冒涜」のような気がしたからです。しかし学問を『世の中を渡り歩く道具』と考えれば、上記①②は生産性が非常に高い入試対策と言えます。流石は後のカリスマコンサルです。若い頃から生産性を強く意識しています。
ここでポイントは①ゴール(志望校)をはっきりさせる②ゴール達成手段以外のことは一切しない、の2点です。事実堀氏は出題傾向が著しく異なる早稲田大学等他校は一切受験していません。東大一本槍です。
ここまで読んで「俺はもう受験生じゃないんだけどなぁ…」と思ったあなた、あなたの目前に今東大受験並みの試練があることにお気づきではないですか? それは『働き方改革』です。その『難易度の高さ』は下記サイトでご確認ください(下記URL上で「CTRL」を押しながら左クリック)。
【図解・行政】「働き方改革」関連法案の概要
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_seisaku-kouseiroudou20180405j-03-w680
「うちは別に公共事業で食っている訳じゃないから、大して影響ないんだけど…」と考えているあなた!! そんな呑気なこと言っていて大丈夫ですか? 他社が必死で『働き方改革』対策に取り組んでいる今、昭和丸出しの働き方を従業員に強いるあなたの会社が今後生き残れると本気でお考えですか?
今は子供が内定をもらった企業の内容や評判を親が調べ、内定を辞退する時代です。そりゃそうですよね、家一軒ほどのお金と多大な時間を費やして一人前に育て上げた可愛い我が子を、過労死やメンタル不全者にしたいと思う親がどこにいるでしょうか? 日本の就業人口が激減していくこれからの時代、従業員を大切にしない会社が市場から撤退させられるのは時間の問題です。
「分かった、分かった。じゃあどうしたらいいんだ?」
やっと分かってくれましたか(笑)。そこで前述の入試対策①~⑦の出番です。①を『働き方改革』要求事項をクリアする、にすれば後は分かるでしょう。ご自身で決めた計画はちゃんと実行してくださいよ、御社の未来がかかっているんですから。
「それが、その、え~と、なんと申しますか…」
なんですか、はっきり言ってください!!
「私は昔から意志が弱くて…未だにタバコも止められないんですが…一体どうしたらいいでしょうか(涙)」
世話の焼ける人ですね(笑)。分かりました。最後まで面倒見ましょう。あなたの受験時代をもう一度思い出してください。受験勉強を始める前に、志望校を見に行きませんでしたか? 今回も『働き方改革』対策に取り組む前に、とうの昔にその要求事項を達成して「ES、CS、会社利益の三方よし」を実現している超ホワイト企業『未来工業』を見学し、御社の業務改革活動の『ゴール』を明確にしてはいかがでしょうか?
そこでイキイキと働く同社の社員の顔を心に刻んで帰れば、意思の弱いあなたでも業務改革につきものの苦難は必ず乗り越えられるはずです!!
御社の業務改革の『ゴール』は明確ですか?