先日『働き方改革』関連法案が可決し、同法の対策にいよいよ本腰を入れざるを得ない状況となっています。私は自身のキャチコピーを『働き方改革』推進人としていることもあり、タイトルに『働き方改革』とか『生産性向上』等が含まれる本はほとんど目を通しているつもりです。
それによると『働き方改革』事例は次の3つに大別されます。
これらの対策について私はこのように考えています。
① 従業員の意識改革を促すものは、社長メッセージやポスター掲示、職場朝礼での周知徹底等がその手段ですが、一番安直なため効果も怪しいのでは? もし本気で従業員の意識を変えたかったら、意識を変えざるを得ないような働き方の仕組みを構築する方を先にすべきです。この対策の角川評価は、将棋で言うところの「手順前後」に尽きます。
③ AI等IT技術により生産性向上を図る対策は前述の①②に比べると正攻法であり、『働き方改革』に経営者が真摯に取り組んでいると言えます。ただし莫大な費用と時間を要するため、収益率の良い会社しかできないという難点があります。大企業向けの対策とも言えます。
「あれもダメ、これもダメじゃね~かよ!! じゃあ、うちの会社は一体どうしたらいいんだよ!!」
おっ、久々に『謎の読者様』のご登場ですね(笑)。お元気でしたか?
私は『働き方改革』本や『業務生産性向上』本をさんざん読んできましたが、本当に不思議に思っていることがあります。なぜ『業務管理システム(ERP)』を導入しようとしないのでしょうか?
セミナーの冒頭でいつもお話ししているのですが、日本の製造業の現場の生産性と品質を半世紀以上に亘って世界最高レベルにしている立役者こそ『生産管理システム』と『品質管理システム』です。この2つを合わせた『業務管理システム(ERP)』を事務所(間接業務)に導入することこそ『働き方改革』のメインであり、いわば『王道』ではないでしょうか?
ここで添付の『労働生産性の国際比較』をご覧ください。我が国の実態がよく分かります。その中で今回はドイツに着目してみます。ドイツの生産性は実に日本の1.5倍です。しかもそれは昨日今日の話ではなく、西ドイツ時代から高い生産性を維持してきました。
日本とドイツの両国は第二次世界大戦では共に枢軸国として連合国と戦い、徹底的な爆撃により国土が灰燼に帰し、焼け跡から立ち上がった国です。その工業製品の品質の高さを武器に、世界に冠たる工業国として今日まで歩み続けた両国で、この生産性の違いは一体なぜ発生したのでしょうか?
ドイツにあって日本になかったもの、それはSAP社です。同社は『業務管理システム(ERP)』をいち早く開発し、市場のシェアは一位です。物事を理詰めで考えるドイツ人からするとごく当たり前のERPですが、これを日本人が開発できなかったのはやはり国民性なのでしょうか? (現在では数社が販売中)。
「わかった、わかった。ERPを買えばいいんだな? いくらすんだ、それ?」
私の知る限り最低でも数千万~数億円ですね。
「こらっ!! うちの会社をつぶす気か?」
そんなあなたにお勧めなのが『業務管理システム(ERP)』の自社構築です。ERPは間接業務の基幹システムですので、内製がベストです。いずれ既製品を購入するにせよ、自社構築し運用した経験があるとベンダーの言いなりにならずに済みます。ERPは会社のいわば『心臓』ですからね。
「そんな簡単に作れんのか、ERPってよ? なんかうさんくせ~な」
簡単とは言いませんが、①構築方法の知識②構築に要する時間と人手③やる気(根気)④PCとLAN、の4つさえあれば、誰でも作れます。ERPは一度構築してしまえば間接業務をコントロールできるようになるので、業務生産性が永続的に向上します。
御社の『働き方改革』対策に問題はありませんか?