⑩TMS研メルマガ一覧表

メルマガ第2号

事務所(間接)業務を工数管理しないことの恐ろしさについて

 皆さんの会社(職場)では、いつも残業・休日出勤している人がいませんか?ひょっとして皆さんご自身がそうではありませんか?実は私もそうでした。ここで私の会社員時代をダイジェストで振り返ってみます。

(1)総務部へ異動後の業務引き継ぎ期間は毎日定時退勤(半年間)。
(2)前任者2名(課長・担当者)が同日に退職後、毎日4~5時間残業するようになる(1年半。月平均残業時間100時間。今考えると2人欠員で1名補充、というのも妙な話ですよね)。
(3)親会社から「やり手」の総務部長が赴任、私の「指導」に乗り出し自分の担当業務が滞るようになる。そのため日曜・祝日がすべて出勤日化する(2年間。月平均残業時間150時間)。
(4)全従業員の30%を切る大リストラが開始。総務部の仕事が激増する中、総務部員も8名→6名に削減したため業務が激増、毎朝6:00に出勤するようになる(1年半。月平均残業時間200時間)。

(5)戦闘的な労働組合の交渉および業務負荷激増により心身ともに疲れ切った総務部長(課長兼任)が倒れ、その仕事の半分が私に回ってきた結果、ついに休日がなくなる(半年間。月平均残業時間300時間)。

 上記の経緯により、私の勤務体制は①平日:6:00~23:00 ②休日:8:00~22:00 ③月2~3回:徹夜 ④休日なし、という凄まじいものとなりました。

 ある日曜日の深夜に帰宅すると、息子(当時5歳)が手に野球グローブをはめたままで私のベッドの横で居眠りしています。翌朝妻に聞くと息子は「パパさまと遊ぶんだ!!」と言って私の帰宅を待っていたとのことでした。「近所の子がお父さんとキャッチボールしているのを見たんじゃないの?」と妻に言われ、息子に申し訳ない気持ちになったことを思い出します。

 しかし、そんな日々もある日突然終わりを迎えました。その頃突発性ぜんそくという病気で数日おきに失神を繰り返していた私は、ある晩呼吸困難になり救急車で病院に搬送され、そのまま入院したのです(入院2日目に課長が病院に仕事を持って来てくれました(苦笑))。

 なんとか生きて退院した私を待っていたのは異動通知でした。会社の温情措置なのか、毎日定時退勤できる部署に異動となりました。異動前の業務引継ぎに際し、私の担当していた業務の一覧表を作成してみて驚きました。個々の業務をジャンル別にリストアップし、それぞれについて必要工数(時間)を記入してある表を作成したのですが、A3版縦書きのエクセル表が4枚になったのです(使用フォント:14P)。

 一週間かけて業務一覧表が完成し必要工数の総計を出した時、私自身初めて自分の業務量を「数値」で客観的に知ることが出来ました。何と3.5人分の仕事を1人でやっていたのです!!

 その後半年間で私の仕事を中途採用の新人2名と他の総務部員5名に分散して引継ぎ、私の総務部員としての業務は終了しました。

 今当時を振り返ってしみじみ思うのは、この業務一覧表さえあれば総務部長や私自身もこんなひどい目に合わずに済んだのになぁ、ということです。業務を「見える化」し平準化(担当者間、月間、部署間)しないことの恐ろしさについて思い知る体験でした(死ななくて本当に良かったです)。

 みなさんはご自身・管掌部署の業務量(工数)を、数値で管理されていますか?

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