なんだか挑発的なタイトルですみませんが、最初に添付資料①をご覧ください。
「改革」と「改善」の違いは、自動車に例えると「フルモデルチェンジ」と「マイナーチェンジ」と言えます。基本設計に問題がない(少ない)場合はボディ形状や内装の修正等のマイナーチェンジで商品寿命を延ばせますが、基本設計が陳腐化してしまい小手先の改善ではもう追いつかない場合はエンジンやシャーシ等の基本設計をゼロベースで見直すフルモデルチェンジを自動車メーカーは実施します。
似たような事例を病院で探すと「外科手術」と「投薬治療」の違いが「改革」と「改善」に当たります。①もう投薬治療ではダメなのに手術に踏み切らない②投薬治療で充分治癒するケースなのに手術をする、この2つの恐ろしさをよく理解していれば、業務「改革」を実施するタイミングを間違えることはないでしょう。上記②のケースは稀ですが、①のケースは残念ながら日本型組織には実に多く見られます。
私はセミナーの冒頭でいつも「間接業務(事務所)の生産性こそ日本企業の弱点」と申し上げておりますが、最近読んだ伊賀泰代さんの著書『生産性(ダイヤモンド社刊)』にも同様のことが書かれていました。また現在安倍政権によって進められている『働き方改革推進運動』の二大テーマの一つに「残業時間の上限の徹底(70年ぶりの労働基準法の抜本的見直し)」があることはご存じかと思いますが、これを達成するには現実的には生産性向上しかありません。もう一つのテーマの「同一労働同一賃金の徹底」を満たそうとしたら、相当生産性を向上させないととても追いつきません。『働き方改革推進運動』以外にも、人口減(今後50年間で4,667万人減!!)に伴う就業人口の激減の影響もすでに一部の不人気業種では問題化しています。
そうです、現在の皆さんの会社は業務「改革」が必要な「非常時」なのです!! 「な~に言ってんだか」と思った方はここから先は読まないでください、時間のムダですから。心理学ではある一定の割合で「まだ大丈夫だろう」という希望的観測で目の前に迫った危機を危機と認識できない(しようとしない)人がいることが明らかになっています(別名「ゆでガエル症候群」)。皆さんはどちらですか?
さてここからは業務改革の必要性を認めた勇気ある方々に、業務改革について私の知見からお話しをさせていただきます。
業務改革の目的は、業務生産性の劇的向上です。そのターゲットは、多大な手間(工数)を要する業務です(私の「見える化セミナー」では年間所要工数100工数以上のもの、と説明しています)。
私は前職在籍時、数々の業務改革活動の事務局を務めました。私が想定したよりはるかに大きい成果を上げたものもあれば、膨大な経営資源(人・物・金)を投入したにもかかわらず無残な結果に終わったものもありました。それらの経験から業務改革活動成功のポイントは次の2点に尽きると確信しています。
その一つは①業務改革案策定です。分かりやすく説明すると、この案に異を唱えたらバカと思われるのでは?と抵抗勢力を黙らせるレベルの画期的な業務改革案を練り上げることです。これには日本人が苦手な現状を否定しゼロベースから新たに立案するスキルが必要となります。
もう一つは②業務改革推進スキルです。一般論として「優れた改革プランに限って実現が困難(抵抗勢力が強大)」というものがあります。これは私の経験から言ってもまさしく真実と思います。これに対する角川案はa,抵抗勢力発生の未然防止、b抵抗勢力を潰そうとしない、の2点です。a,抵抗勢力発生の未然防止策としては、従業員アンケート(無記名式)の事前実施や、その問題に関係する人全員を集めてのプレゼンの実施があります。b抵抗勢力を潰そうとしない、とは抵抗勢力を正面から相手にはしないが決して無視はしない、ということです(「愛」の対義語は「憎悪」ではなく「無視」ですよ)。
以上、①誰もが賛成せざるを得ない画期的なプランを②抵抗勢力の最小化を図った業務改革推進スキルで③現状の延長線上に明るい将来が描けなくなった非常時に行えば、業務改革活動(プロジェクト)は成功する(確率が高い)、というのが私の結論です。
あなたは業務「改革」と「改善」の違いについて正しく認識していますか?そして自分自身で御社存続に不可欠な業務「改革」を担う勇気をお持ちですか?