電通社員高橋まつりさん(24歳)の過労死に端を発する『働き方改革』は、一見働き手(労働者)側に立った政策に見受けられます。本来は野党側から提案されるべき政策が、なぜ与党である自由民主党から出て来たのかについては次の説が有力です。
「従来の支持者に加え、非正規労働者の票を取り込むことにより選挙に圧勝し、憲法改正に必要な議員数三分の二以上を単独で獲得し、悲願の憲法改正(第9条)を行うため」
その背後には、ここ30年の日本を取り巻く諸外国(ロシア、中国、北朝鮮)の軍拡に対抗すべく、自衛隊の増強(防衛庁の防衛省昇格等)を進めてきた経緯があります。この説は既に報道されているので、ご存じの方も多いでしょう。しかし私は、その裏に隠された本当の目的があると思っています。
さていきなりですが、ここで皆さんに質問です。日本は独立国でしょうか? それとも他国の植民地でしょうか? 学校の歴史の教科書には「1951年サンフランシス講和条約の批准により、敗戦から6年後に再独立を果たした」旨書いてありますが、実はウソです。大変残念なことですが、この国は戦後74年経つ今日も、依然としてアメリカ合衆国の事実上の植民地となっています。これは与党国会議員や高級官僚の間では常識ですが、国民には長年秘匿され続けてきました。
みなさんは『日米地位協定』というものをご存知でしょうか? これが日本を独立させないための協定です。毎年米政府より『年次改革要望書』なる要求書が日本政府に届き、米政府のご意向に沿った政策が立案されているのが実態です(2009年に廃止されるも形を変えて存続)。このくらいで驚いている場合ではありません。月2回、在日米軍幹部が日本の各省の事務方トップを呼びつけ、直接要求事項を突き付ける会議もあるのです!! 実はこのことは米政府も把握しておらず、この定例会議の存在を知った駐日アメリカ公使が激怒したそうです。
激怒した理由は「米政府と米軍による日本の二重支配になるから」です。戦後すぐに始まった軍政が、未だに存在し続けているということです。ここまで来ると情けなさを通り越して虚無感すら感じますが、これが我が国の実態なのです(ご興味のある方は 『知ってはいけない』『同2』矢部宏治著・講談社現代新書)をお読みください)。
さてここからが当メルマガの核心部分です。私は前職で総務部員だった時に2006年の新会社法対応業務に従事しました。新会社法制定の目的は「アメリカの会計基準に日本の会計基準を合わせる」です。簡単に言うと内部留保を認めず、株主への利益還元をさせる(ストックからフローへ)ことです。アメリカ人投資家が日本企業に投資しやすい環境を整備した、とも言えます。
このように新会社法とは日本(企業)側にとってメリットは少なく、株主に対する最大限の利益供与を目的としていることが分かります。簡単に言うと、日本人の労働の成果をアメリカが吸い取ろうということです。こんな法律が日本側から提案されるわけがありません。アメリカ政府から強烈な要請があった、と考えるのが妥当でしょう。
さて新会社法制定で、日本企業はアメリカと同様に『株主の物』となりました。1985年のプラザ合意に端を発するバブル経済 → バブル崩壊 → 失われた10年 → 小泉改革 → 失われた20年 → 現在、とアメリカの描いたシナリオ通りに日本経済は衰退していきます。しかし1つ困ったことが起きました。1986年の労働者派遣法制定(派遣社員解禁)に端を発する日本人労働者の人件費低下と円の価値が下がったことに伴い、日本製品の国際競争力がさらに強くなってしまったのです。これはおそらくアメリカのシナリオにはありませんでした。
そこで米産業界からの要望を受けたアメリカ政府から「同一労働同一賃金の徹底」が要請されたのでは? と私は推測します。この要請の意味するところは「非正規労働者の非合法化」で一見労働者側からすると大歓迎なのですが、派遣社員、構内請負、パート社員等を多数雇用している会社には、会社存続の危機となります。生き残るには ①会社合併による直間比率の改善(間接部門のスリム化) ②業務生産性の向上 しかありません。これに失敗した会社は ①吸収合併 ②外資への身売り ③倒産、といずれも悲惨な道が待ち受けています。文字通り「八方ふさがり」に見える日本企業に、救いの道はないのでしょうか?
読んでいて決して楽しいものではない当メルマガを、ここまでお読みいただきありがとうございました。実は私の知る限り、御社が生き残る道が一つだけあります。それが御社の『未来工業化』です。同社は地域最高額の時給を支払い(平均年収600万円以上)、全員が正社員、残業・休日出勤禁止でありながら、リーマンショックの年を除き創業以来増収増益という超優良会社です。
かつて米政府はビッグスリー(フォード、GM、クライスラー)幹部が「絶対に達成不可能」と嘆いた自動車の排ガス規制に関する法律(通称マスキー法)を制定しようとしたことがありました。これに対し当時アメリカに進出中だった日本の自動車メーカーは、必死の努力(ホンダのCVCCエンジン等)で、なんとこの基準をクリアしてしまったのです!! (同法は後にビッグスリーの要請により廃案) その後も不断の努力を続け、『エコカー』というジャンルまで作ってしまった日本の自動車メーカーの技術者を、私は尊敬します。彼らは「絶体絶命のピンチ」を「ビッグスリーを凌駕する千載一隅のチャンス」に変えてしまったのです!! 「災い転じて福となす」とはこのことです。
さあ、今度は皆さんの番です。『働き方改革』で日本企業を潰しにかかるアメリカの鼻を明かしてやろうじゃありませんか!! 世界中の人々がこの戦いに注目しています。戦う前から負けを認めているような根性ではダメです。自動車メーカーの技術者ができたことを、あなたが出来ない理由なんてありません。同じ日本人の血が流れているのですから。
幸い皆さんには『未来工業㈱』という立派な目標があります。私はこの国に同社があったことに、本当に感謝しています。目指すゴール(あるべき姿)があるのとないのとでは、同じ努力をするのでも安心感が全然違うからです。
御社の存続をかけて立ち上がる時は今です。この非常時において、職位・年齢・性別なんて一切関係ありません。15世紀のフランスで祖国を危機(100年戦争)から救ったのは、若干17歳の乙女(ジャンヌ・ダルク)だったではありませんか? また、従業員数700人の中堅部材メーカーが会社監督省庁からつぶされそうになった時、AIOS作成を指導し会社を救ったのは一介の担当者だったではありませんか? 人間、熱意と覚悟さえあれば何とかなるものです。頑張れ、セミナー受講者の皆さん!!
あなたは『働き方改革』の本当の目的にお気づきですか?