今から1億4550万年のジュラ期に、地上を支配していたのは恐竜たちでした。子供のころの愛読書は小学館の『恐竜図鑑』だった私は、ティラノサウルス、ブロントサウルス、トリケラトプス、翼竜たちが我が物顔で闊歩する様子がいきいきと描かれたイラストに胸を躍らせたものです。小学5年の時、図書館で借りたコナン・ドイル著の『失われた世界』(映画『ジュラシックパーク』の原作)を読んだときなど、恐竜に追いかけられる夢を見て夜中に絶叫して飛び起きたこともありました(笑)。
そんな恐竜たちが滅んだ原因は、劇的な気候変動に対応できなかったためでした。地質学的には一瞬とも言えるような短い期間に気温が上昇し、大地は干からびていきました。水は失われ、生命も失われました。そうした環境の変化に爬虫類(変温動物)であった恐竜たちは対応できず、ワニ以外は絶滅していきました。対してジュラ紀においてマイナーな存在であった哺乳類は、しぶとく干ばつ期を生き抜きます。それは周囲の気温に左右されず体温を保つことのできる恒温動物だったからです。
動物が自然環境の変化に対応しなければ絶滅してしまうのと同様に、会社も経営環境の変化に対応しなければ、いつしか市場から撤退を迫られてしまいます。
私が2012年9月に新技術開発センター殿でデビューした際、セミナータイトルは『間接業務の「見える化」セミナー』でした。以下、その後9年間の変遷について、時系列でご紹介いたします。
これが2012年9月から今日に至るまで計51回開催された私の主力商品『組織マネジメントシステムの自社構築方法セミナー』の変遷です。時代や経営環境の変化に対応しつつ、おかげさまで今年で9年目を迎えることができました。今日第1回のセミナーテキストを見ると恥ずかしい気持ちになるのも、お教えするメソッド、教え方、そして私自身が成長したからなのでしょう。
会社が経営環境に合わせて変化しなければ生き残れないのと同様に、そこで働く皆さんご自身にも同じことが言えます。労働環境の変化に対応して、皆さんご自身の働き方を変えなければなりません。現在コロナ禍によって政府により出社人数制限がかけられ、在宅勤務者が増えています。
コロナ禍はいずれ沈静化しますが、その後また以前のように会社に全員集まる日が来るとお考えの方は、甘いです。そんな日は二度と来ません。なぜなら会社に行かなくても仕事は回ることを、間接職の皆さんは知ってしまったからです。このことは当然株主も知っています。
在宅勤務は従業員を通勤地獄やパワハラ・セクハラから解放しました。これによって一気に働き方改革が進行し、ワークライフバランスも実現しました。今さら誰が会社に戻りたいと思うのでしょうか?(家庭に居場所のない方を除く)
会社も在宅勤務によって随分と経費が削減できました。交通費、事務所の光熱費等です。今後事務所の縮小や地方への移転が進みます。先進的な企業では事務所廃止にまで踏み込むところも出るでしょう。
「な~に言ってんだか!! この先生もいよいよ焼きが回ったかな?」とお思いのそこのあなたに質問です。ウン十年前の就職活動を思い出してください。【A社】都内の事務所に毎日出社 【B社】在宅勤務メインで出社は月1回、のうち、どちらに就職を希望しますか?
われわれと異なった価値観・人生観を持つ今時の優秀な学生は、B社を選ぶに違いありません。また外国人もB社なら就職してくれることでしょう。インドや中国に住んだまま、日本企業で働けるからです。日本企業特有とされる、ややこしい人間関係に悩まされることもありません。
それに対しA社の末路は悲惨です。B社が採用しなかった学生しか採用できません。はなからモチベーションが低いため、3年以内に5割が退職します。戦国武将の雄、武田信玄の「人は生け垣、人は城」の言葉の通り、A社の従業員の質とやる気はどんどん劣化していき、製品やサービスの質も劣化が止まりません。会社業績も下方修正が相次ぎ、そのうち顧客からも見放されます。A社に残された選択肢は、会社売却or自主廃業or倒産の三択です。
投資している株主がそんな状況になるA社を放っておくはずありませんから、従来型の会社経営復帰を主張する経営者は解雇され、どこからか連れてきた今風の経営者に置き替えられることでしょう。時代の流れに乗ったB社の繁栄をよそに、時代から取り残されたA社のその後を知る人はいません。
人材派遣大手のパソナが淡路島に本社を移転しました。またNTTが転勤・単身赴任の廃止および組織の地方分散を検討する時代です。
御社の仕事のやり方は「時代遅れ」ではありませんか?